2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12557046
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 誠治 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50282455)
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20208523)
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Keywords | BCL6 / アレルギー炎症 / 胚中心 / メモリーB細胞 / トランスジェニックマウス / IL-5 / 遺伝子治療 / 好酸球 |
Research Abstract |
私達は、胚中心におけるメモリーB細胞分化に必須な転写抑制因子であるBCL6の機能解析から、BCL6欠損(KO)マウスが著しい好酸球性アレルギー炎症を起こすことや、その標的遺伝子の一つがIL-5遺伝子であることを見いだしている。そこで本研究では、BCL6の発現を制御したモデルマウスを作製することにより、アレルギー疾患の遺伝子治療法の開発を目指した。その結果、胚中心ができなくてもIgEやIgMのメモリーB細胞が正常B細胞と同程度に分化してくることや、そのメモリーB細胞のV領域遺伝子には、点突然変異が全く見られないことを明らかにした。また、胚中心でBCL6を強発現するトランスジェニック(Ig-BCL6)マウスを作製したところ、胚中心の形成が増加した。これらの結果から、メモリー形成におけるBcl6の機能や胚中心の役割がより明確になるとともに、アレルギー疾患の治療には、B細胞におけるBCL6の発現抑制が必要であることが明かとなった。さらに、T細胞でのみBCL6を強発現するトランスジェニック(lck-BCL6)マウスを作製し、そのマウス由来の脾臓T細胞を抗CD3抗体で刺激すると、IL-5の産生が著しく抑制されることを明らかにした。そこで、このlck-BCL6マウスとBCL6-KOマウスを交配して、T細胞でのみBCL6の発現が見られるBCL6-KOマウス(レスキューマウス)を作製したところ、BCL6-KOマウスに見られた好酸球性アレルギー炎症が全く見られなくなった。そこでつぎに、T細胞レベルでのアレルギー疾患の遺伝子治療モデルを作製するために、ウイルスベクターにBCL6を組み込んだ発現ベクターを作製した。すでに、In vitro系でこのウイルスのT細胞への感染を確認している。これらの研究成果から、より効率の良いアレルギー疾患の遺伝子治療法の開発が期待される。
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[Publications] Kojima, S., et al.: "Disruption of the Bcl6 gene increases testicular germ cell apoptosis in mice"Development. 128・1. 57-65 (2001)
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[Publications] Zhang, H., et al.: "A novel functional domain of Bcl6 family that recruits histone deacethylases"Biochim.Biophys.Acta. 1540・3. 188-200 (2001)
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[Publications] Hartatik, T., et al.: "Binding of BAZF and Bcl6 to STAT6-binding DNA sequences"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 284・1. 26-32 (2001)
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[Publications] Mizushima, N., et al.: "Dissection of autophagosome formation using Apg5-deficient mouse embryonic stem cells"J.Cell Biol.. 152・4. 657-668 (2001)
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[Publications] Ogasawara, T., et al.: "A novel homologue of the TIAP/m-survivin gene"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 282・1. 207-211 (2001)
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[Publications] Murasawa, M., et al.: "GL7 defines the cycling stage of pre-B cells in murine bone marrow"Eur.J.Immunol.. 32・1. 291-298 (2002)