2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期制御蛋白による慢性関節リウマチ新治療法の開発
Project/Area Number |
12557048
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Research Institution | Tokyo Medical & Dental University |
Principal Investigator |
上阪 等 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00251554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 稔 参天製薬, 開発研究本部, グループ長
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30157622)
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Keywords | 関節リウマチ / 遺伝子治療 / 細胞周期 |
Research Abstract |
サイクリシ依存性キナーゼインヒビター遺伝子p21^<cip1>による関節局所への遺伝子治療は関節リウマチ(RA)のモデル動物の関節炎を改善させ、滑膜増生のみならずリンパ球浸潤、炎症性サイトカイン産生、骨軟骨破壊を抑制した。また、RA由来滑膜線維芽細胞(RSF)にp21^<cip1>を強制発現させると、type I IL-1 receptor(IL-1R1),IL-6,-8,MCP-1,MIP-3α,カテプシン,MMPなどの発現が低下した。そこで、p21^<cip1>によるこの発現抑制機構を解析した。方法は、RSFを培養し、p21^<Cip1>アデノウイルスもしくはコントロールウイルスを感染させ、3日後、細胞数を調整してIL-1βもしくはTNF-αで刺激を行い、培地上清でIL-6,-8,MCP-1,MIP-3α,MMP-1,-3のELISAを行った。また、無刺激もしくはLPS刺激をしたRSFにて同様の解析を行ない、その核蛋白を用いて、転写因子のDNA結合活性を検討した。p21^<Cip1>は、IL-1刺激によるIL-6,-8,MCP-1,MIP-3α,MMP-1,-3の発現を抑制したが、TNF-α刺激による発現は抑制しなかった。また、p21^<cip1>は無刺激時やLPS刺激によるAP-1やNF-κB活性を抑制してIL-6やMCP-1などの発現を低下させた。この時、IL-1 receptor antagonistは無刺激時やLPS刺激によるMCP-1やIL-6の発現を抑制しなかった。p21^<Cip1>はIL-1R1の発現を低下させることにより、IL-1刺激を介する炎症性メデイエーターの発現を抑制する。それに加え、1L-1R1非依存的にもこれらの発現を抑制する。P21^<Cip1>は、細胞周期抑制のみならず、これらの機構によって関節炎の治療効果に関与していると考えられる。
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[Publications] Kohsaka H, Nasu K, Matsushita S, Miyasaka N: "Complete cDNA coding sequence of the HLA-DRB1^*14O5 allele"DNA Sequence. 13(6). 359-361 (2002)