2000 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌特異的な遺伝子パネルおよびモノクロナル抗体による診断法の開発
Project/Area Number |
12557051
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
油谷 浩幸 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (10202657)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 尚彦 (株)特殊免疫研究所, 研究員
児玉 龍彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90170266)
|
Keywords | 肝細胞癌 / 発現プロファイリング解析 / モノクロナル抗体 / バキュロウイルス |
Research Abstract |
細胞の癌化の過程は複数の遺伝子異常が蓄積した結果と考えられており、癌細胞においてのタンパク質の発現パターンには非常に多様性があることが判明してきた。現在、タンパク質の発現を網羅的に解析する手法は確立されておらず、特異的な認識プローブとして有力とされるのがモノクロナル抗体である。癌組織の遺伝子発現プロファイルから癌組織に特異的な発現を示す蛋白質群を同定し、さらにそれらのタンパク質に対するモノクロナル抗体を作製する。 本年度は、癌組織に特異的な発現を示す蛋白質群を同定するために、主に臨床手術検体を用いて高密度オリゴヌクレオチドアレイ(GeneChip)による網羅的な遺伝子発現解析により、肝発癌やその悪性化にともない発現が上昇している遺伝子群の抽出を進めた。また、癌組織で高発現する遺伝子が実際に発現する細胞を確認すべく、in situハイブリダイゼーションおよびマイクロダイセクション法による解析にも着手し、抗原作製候補遺伝子としては、肝細胞癌について156個が選択されてきており、さらに選択作業を進めている。一方、抽出された遺伝子群に対する抗体作製のために必要な抗原の作製を開始した。作業効率を上げるべく、抗原蛋白としてバキュロウイルスの系(pBACsurf)でのgp64との融合蛋白のデザインには、抗原性が高く糖鎖が付着しない領域より選んだ100-200残基のアミノ酸配列を用いて発現コンストラクトを設計した。完全長が得られていない新規遺伝子についても抗体を作製できるのが利点である。また、一部のタンパクについてはHepG2/Tet-Off細胞で誘導可能な系(pBI-EGFP)での全長タンパクの発現を行い、安定高発現株を選択することで大量培養・大量発現させる系の開発に着手した。
|
-
[Publications] Hippo,Y: "Differential gene expression profiles of scirrhous gastric cancer cells with highly metastatic potential to peritoneum or lymph nodes."Cancer Research. 61(3). 889-895 (2001)
-
[Publications] Tsutsumi,Shuichi: "Classification of Hepatocellular Carcinoma by Gene Expression Profiling Analysis."Genome Informatics. 11. 240-241 (2000)
-
[Publications] Ge X: "A Physics-Inspired algorithm for information visualization with application to gene expression analysis."Journal of the School of Engineering. XLVII. 89-103 (2000)
-
[Publications] Ishii M: "Direct comparison of GeneChip and SAGE on the quantitative accuracy in the transcript profiling analysis."Genomics. 68(2). 136-43 (2000)
-
[Publications] Minowa O: "Mmh/Ogg1 gene inactivation results in accumulation of 8-hydroxyguanine in mice."Proc Natl Acad Sci USA.. 97(8). 4156-61 (2000)
-
[Publications] Asagoshi K: "Distinct repair activities of human 7,8-dihydro-8-oxoguanine DNA glycosylase and formamidopyrimidine DNA glycosylase for formamidopyrimidine and 7,8-dihydro-8-oxoguanine."J Biol Chem. 275(7). 4956-64 (2000)