2000 Fiscal Year Annual Research Report
癌ワクチンによるアポトーシス誘導を用いた肝癌に対する免疫遺伝子治療
Project/Area Number |
12557054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 紀夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00144478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 和良 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
平松 直樹 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
佐々木 裕 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70235282)
巽 智秀 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 癌ワクチン / 肝細胞癌 / 樹状細胞 / 4-1 BB ligand / B7-1 / 免疫遺伝子治療 |
Research Abstract |
樹状細胞を用いた癌免疫療法の基礎的検討 本研究ではマウス肝癌モデルにおいて、骨髄由来樹状細胞(Dendritic cells:DC)による癌ワクチンと、インターロイキン12(IL-12)の併用による癌免疫療法を検討した。DCはBALB/cマウス骨髄よりGM-CSF及びIL-4を用いて誘導した。同系マウス由来肝癌細胞株BNL1 ME A.7R.1(BNL)のtumor lysateを作成し、BNL tumor lysateをパルスされたDCによる癌ワクチン及びIL-12投与を施行後、マウスより脾リンパ球を採取し、クロムリリース法にて脾リンパ球の親株BNL細胞に対する細胞障害活性を検討した。さらにELIZA法にて脾リンパ球のIFNγ産生を検討した。次にBNL細胞を皮下接種後、腫瘍形成の確認されたマウスにDCによる癌ワクチン及びIL-12投与行い抗腫瘍効果を検討した。DCによる癌ワクチンのみで、脾リンパ球のBNL細胞に対する細胞障害活性及びIFNγ産生を誘導したが、IL-12を併用することによって、脾リンパ球の細胞障害活性及びIFNγ産生は有意に増大した。DCによる癌ワクチン及びIL-12投与による併用療法は、腫瘍として形成されたBNL細胞に対して抗腫瘍効果を示し、30%のマウスにおいて腫瘍拒絶を認め、残りのマウスでの腫瘍形成も、他の群に比較して有意に抑制されていた。さらにこの併用療法はMHCを共有するマウス大腸癌細胞株colon26の腫瘍形成は抑制しなかったことから、BNL特異的な抗腫瘍効果であると考えられた。in vivoでのT cell depletion後にこの併用療法の効果を検討した結果、CD8陽性T細胞はcompleteに、CD4陽性T細胞はpartiallyに抗腫瘍効果が消失し、CD8陽性及びCD4陽性T細胞の関与が示唆された。DCによるワクチン及びIL-12による併用療法は、親株肝癌細胞に対する強い細胞障害活性をsystemicに誘導し、親株肝癌細胞の腫瘍形成を有意に抑制した。以上の結果は本療法による癌免疫療法の有用性を示唆するものであった。
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[Publications] Kitada T, et al.: "The addition of bisecting N-acetylglucosamine residues to E-cadherin down-regulaes the tyrosine phosphorylation of β-catenin."J Biol Chem. 276. 475-480 (2001)
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[Publications] Horimoto M, et al.: "A novel strategy for cancer therapy by mutated mammalian degenerin gene transfer."Cancer Gene Ther. 7. 1341-1347 (2000)
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[Publications] Tanaka H, et al.: "Effect of interferon therapy on the incidence of hepatocellular carcinoma and mortality of patients with chronic hepatitis C ; A retrospective cohort study of 738 patient"Int J Cancer. 87. 741-749 (2000)
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[Publications] Ishida H, et al.: "Identification of multiple transcription factors, HLF, FTF, and E4BP4, controlling hepatitis B virus enhancer."J Virol. 74. 1241-1251 (2000)
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[Publications] Tanaka Y, et al.: "Probability of hepatocellular carcinoma of small hepatocellular nodules undetectable by computed tomography during arterial portography."Hepatology. 31. 890-898 (2000)