2000 Fiscal Year Annual Research Report
Dysferlin関連筋ジストロフィー疾患群の概念の確立に関する研究
Project/Area Number |
12557058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
糸山 泰人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30136428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 正志 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70302148)
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Keywords | 筋ジストロフィー / ジスフェルリン / 遺伝子変異 / 三好型 / 肢帯型 / 常染色体劣性遺伝 |
Research Abstract |
本研究の研究分担者である青木らによって、遠位型筋ジストロフィー(三好型)の原因遺伝子が同定され(Nature Genet,1998)dysferlin(以下ジスフェルリン)と名づけられた。本研究ではまず、遠位型筋ジストロフィー(三好型)の原因遺伝子であるジスフェルリンの遺伝子解析をわが国の患者検体を用いて施行し、その変異を集積することにより、同遺伝子における共通な変異の有無、異常集積部位(hot spot)の有無を検討する。また、肢帯型筋ジストロフィーの患者においてもジスフェルリン遺伝子異常の頻度の検索を行うことを目的に計画された。本年度日本人達位型筋ジストロフィー(三好型)26家系、肢帯型筋ジストロフィー患者5家系6例、高CK血症患者2例においてジスフェルリン遺伝子の解析を行ったところ、三好型遠位型筋ジストロフィー20家系、肢帯型筋ジストロフィー1家系、高CK血症1例に計18種類の患者特異的な遺伝子変異が認められた。外国例ではC末端の膜貫通部位の直前に変異が集積している傾向がみられたが、わが国の症例では遺伝子全体に分散して分布していた。一方、G3370T変異は4家系に、3746delG変異は5家系に4870delT変異は3家系に認められ、この3種類の変異は今回本研究で同定された変異の50%を占め、日本人に比較的頻度の高い変異と考えられた。これらの変異はいずれも正常コントロール例にはみられず、患者に特異的であった。その他に、遺伝的多型と考えられた6種類の変異を同定した。
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