2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12557059
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北本 哲之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20192560)
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Keywords | プリオン病 / プリオン蛋白 / トランスジェニックマウス / ノックインマウス / 濾胞樹状細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒト・プリオンの迅速なバイオアッセイ系の確立のために、従来の脳での異常プリオン蛋白の沈着によるマウスの発病を指標とするのではなく、リンパ装置の濾胞樹状細胞(FDC、Follicular Dnendritic Cell)における異常プリオン蛋白の沈着を指標として迅速なアッセイ系を確立しようとするものである。今年度は、2種類の方法で遺伝子導入したマウスにおいて、FDCへの異常プリオン蛋白の沈着を検討した。トランスジェニックマウスでは、ヒト・プリオンを脳内に接種すると最短150日で発病するという高い感受性を示し、相同組換え法を利用したノックインマウスでも同様に150日で発病することが確かめられた。一方、リンパ装置のFDCでは、ノックインマウスにおいて異常プリオン蛋白の沈着が強陽性に検出できたが、トランスジェニックマウスでは陰性結果であった。この理由を調べるためにFDCでの正常型のレコンビナント・プリオン蛋白を検索したところ、トランスジェニックマウスではほとんど発現が見られず、使用したマウスのプリオン蛋白遺伝子のプロモーター領域の限界であることが明らかとなった。そこで、陽性結果の得られたノックインマウスを使用して、腹腔内投与によって異常プリオン蛋白が何時から検出可能であるかを検討したところ、驚くべきことに30日以内で100%のノックインマウスで異常プリオン蛋白が検出されることが明らかとなった。現在は、より感度を向上させるべく、新たな遺伝子導入モデルを作製中である。また本研究の結果を基にした、特許申請を2001年1月31日に提出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Konaka K, Kaido M, Okuda Y, Aoike F, Abe K, Kitamoto T, Yanagihara T: "Proton magnetic resonance spectroscopy of a patient with Gerstmann-Straussler-Scheinker disease"Neuroradiology. 42(9). 662-665 (2000)
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[Publications] Nakamura Y, Yanagawa H, Kitamoto T, Sato T: "Epidemiologic features of 65 Creutzfeldt-Jakob disease patients with a history of cadaveric dura mater transplantation in Japan"Epidemiol Infect.. 125(1). 201-205 (2000)
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[Publications] Kitamoto T: "Creutzfeldt-Jakob disease"Neuropathology. 20 Suppl. S52-S54 (2000)
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[Publications] Muramoto T, Tanaka T, Kitamoto N, Sano C, Hayashi Y, Kutomi T, Yutam C, Kitamoto T: "Analyses of Gerstmann-Straussler syndrome with 102Leu219Lys using monoclonal antibodies that specifically detect human prion protein with 219Glu"Neurosci Lett.. 288(3). 179-182 (2000)