2002 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素下でDNA切断活性を発現する抗腫瘍性エンジインプロドラッグの放射線増感効果
Project/Area Number |
12557075
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西本 清一 京都大学, 工学研究科, 教授 (10115909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 一仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (40346086)
芝本 雄太 名古屋市立大学, 医学研究科, 教授 (20144719)
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Keywords | エンジンプロドラッグ / ニトロアゾール / 低酸素腫瘍細胞 / DNA鎖切断 / インターカレーション / 細胞毒性 / 放射線増感効果 / 構造-活性相関 |
Research Abstract |
生体内活性化により不安定なエンジイン構造を発生する10員環1,5-ジイン化合物、塩基共存下で活性なアレン体へ異性化するプロパルギルスルホン化合物、低酸素細胞増感作用を示す電子親和性ニトロアゾール構造を置換基としてもつプロパルギルスルホン化合物について、DNA鎖切断活性を評価するとともに低酸素腫瘍細胞の放射線治療に対する応用性を検討し、下記の成果を得た。 (1)ヘテロ原子としてより強い求核性をもつ窒素原子を導入したエンジイン前駆体の環化反応により2,5-ジヒドロ-2-ベンゾピロールエンジインを合成した。 (2)各種置換基を導入したプロパルギルスルホン化合物を新規合成するとともに、アレン体への異性化速度、DNA切断活性ならびにマウス腫瘍細胞に対する細胞毒性を評価し、活性化機構を明らかにした。 (3)電子吸引性基を導入したプロパルギルスルホン化合物は、細胞の放射線損傷を防護および修復する働きをもつグルタチオンの濃度を非常に効率よく低下させることを明らかにした。 (4)電子吸引性基であるニトロ基を導入すると高いグルタチオン捕捉活性を得る一方で親水性が低下するが、新たな親水性基を導入することより比較的高いGSH捕捉活性を維持したままで親水性を回復することに成功した。 (5)グルタチオン捕捉活性をもつプロパルギルスルホン部位と放射線増感効果を示すニトロイミダゾール基をもつ化合物を設計、合成し、グルタチオン捕捉反応性、薬剤の細胞膜透過性、および放射線増感活性を評価した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 西本清一: "Interaction of Amyloid β-Protein with Various Gangliosides in Raft-Like Membrane : Importance of GM1 Ganglioside-Bound Form as an Endogeneous Seed for Altzheimer"Biochemistry. 41. 7385-7390 (2002)
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[Publications] 西本清一: "Formation of a Membrane-Active Form of Amyloid β-protein in Raft-Like Model Membranes"Biochemical and Biophysical Research Communication. 303. 514-518 (2003)
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[Publications] 芝本雄太: "Comparison of 5-Fluorouracil and 5-Fluoro-2'-deoxyuridine as an Effector in Radiation-Activated Prodrugs"Journal of Chemotherapy. 14. 390-396 (2002)
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[Publications] 田邉一仁: "Site-Specific Discrimination of Cytosine and 5-Methylcytosine in Duplex DNA Using Peptide Nucleic Acids"Journal of American Chemical Society. 124. 10262-10263 (2002)
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[Publications] 田邉一仁: "Control of Photo-Induced Drug Release by the Use of Conformational Change of DNA"Nucleic Acids Research Supplemental. 2. 167-168 (2002)
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[Publications] 田邉一仁: "Discrimination between Cytosine and 5-Methylcytosine in DNA by Peptide Nucleic Acids"Photomedicine and Photobiology. 24. 57-58 (2002)