2000 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん原性大脳皮質形成異常モデル動物の確立とアンチセンス治療法への展開
Project/Area Number |
12557077
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 道和 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80135251)
内田 勝久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10168693)
岡部 明仁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10313941)
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Keywords | 細胞移動 / Cl^-トランスポーター / 皮質形成異常 / ClC / てんかん / GABA / NKCC / KCC |
Research Abstract |
1.大脳皮質凍結損傷(focal freeze-lesion)による神経細胞移動障害モデルの作成: 生後0日齢ラットの頭皮を切開し頭蓋骨表面を露出し、液体窒素で冷却した直径1mmの銅棒を8秒間頭頂葉直上に静置し大脳皮質凍結損傷を作成した。数週間のサバイバル期間の後、実際に神経細胞移動障害が起こり5-6層を欠いた薄い異常皮質層構造が形成されていることをthionin染色で組織学的に確認した。 2.キンドリングモデル,focal freeze-lesionモデルのCl^-ホメオスタシス調節遺伝子群発現の解析: 外向きCl^-トランスポーターのKCC1,KCC2内向きCl^-トランスポーターのNKCC1,および電位依存性Cl^-チャンネルのClC2のオリゴcDNAプローブを用いて、これらCl^-ホメオスタシス調節分子の、ラット扁桃体キンドリングモデル梨状葉皮質での変化をin situ hybridization法を用いて解析したところ、NKCC1の発現が有意に上昇していた。focal freeze-lesionモデルでも受傷後数日間はNKCC1の発現が有意に上昇し、その後は発達とともにNKCC1の発現は減少するが、正常発達に伴うKCC2発現増加が形成異常皮質では起こりにくい傾向が認められた。機能的及び器質的てんかん原性の形成とCl^-トランスポーター発現変化によるCl^-ホメオスタシス異常([Cl^-]_i上昇)に何らかの関係がある可能性が示唆された。 4.ヒトてんかん原性皮質形成異常摘除組織を用いたスライス標本の作成法の確立: 外科手術により摘出した皮質形成異常組織からパッチクランプによる解析を行う為の標本の作成法を検討した。ラットを用いた予備実験で我々独自のsucrose Ringer法にさらに改良を加えることにより、従来法より優れた脳スライス作成方法を確立した。この方法を手術による摘出組織にも応用する。 5.ヒトCl^-トランスポーター・チャンネルmRNAプローブ合成: Cl^-トランスポーター・チャンネルはヒトでもクローニングされているのでKCC1,KCC2,KCC3及びNKCC1,ClC2のオリゴcDNAプローブ数種類をデザインした。今後はヒトの摘出組織でin situ hybridization法を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Samejima,M. et al.: "Light-and temperature-dependence of the melatonin secretion rhythm in the pineal organ of the lamprey, Lampetra japonica."Jpn.J.Phyisiol.. 50. 437-442 (2000)
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[Publications] Ninomiya,Y. et al.: "Responses to umami substances in taste bud cells innervated by the chorda tympani and glossopharyngeal nerves"J.Nutrition. 130. 950-953 (2000)
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[Publications] Yamada,Y. et al.: "Immature stage of intracellular Cl^- homeostasis regulated by cation-Cl^- cotransporters in rat neocortical neurons"Nagoya Med.J.. 43. 179-190 (2000)
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[Publications] Yamada,Y. et al.: "Optical imaging reveals cation-Cl^- cotransporter-mediated transient rapid decrease in intracellular Cl^- concentration induced by oxygen-glucose deprivation in immature rat neocortical slices."Neurosci.Res.. 39. 269-280 (2001)