2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト造血幹細胞を標的とした導入遺伝子の長期に渡る充分な発現手法の開発
Project/Area Number |
12557079
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 克彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (90281097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 孝 日本たばこ産業株式会社, 医薬探索研究所, 主任研究員
東辻 宏明 京都大学, 医学研究科, 助手 (60281094)
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
森田 慶子 (西村 慶子) 日本たばこ産業株式会社, 医薬探索研究所, 研究員
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Keywords | 造血細胞 / レトロ・ウイルス / ベクター / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究では、FMEVベクターを用いて、遺伝子発現に関する検討を行なうため、以下のことを行なった。 (1)標的細胞の検討 ヒトCD34陽性分画、及び、各種分化マーカー陰性かつCD34陰性分画の細胞を標的に遺伝子導入し、これらの分画間での、SRCへの遺伝子導入効率、遺伝子発現量を比較することを試みた。しかし、各種のサイトカインの組み合わせを用いても、各種分化マーカー陰性かつCD34陰性分画の細胞への遺伝子導入は、効率良く行なえなかった。現在、新たな方法を用いて、この分画の細胞への遺伝子導入を再度、試みている。 (2)導入遺伝子の長期に渡る発現の観察 種々のLTRを持つベクターを用いて、ヒト造血幹細胞(SRC)に遺伝子導入し、NOD/SCIDマウスの生体内での遺伝子の発現を観察中である。しかし、ヒト造血幹細胞(SRC)への遺伝子導入効率が低いため、発現量の変化を評価することが、困難であることが明らかとなった。遺伝子導入効率を上げるための方法を検討中である。 (3)遺伝子発現細胞の再濃縮 制癌剤耐性遺伝子を用いて、生体内で、遺伝子発現細胞を再濃縮することを目指している。薬剤耐性遺伝子として、ヒトO6-alkylguanine-DNA alkyltransferaseの変異体であるP140Kが、有用であることを確認し、この遺伝子を組み込んだベクターを作成した。 (4)種々のLTR、ベクターの作成 種々のレトロウイルス・ベクター、種々のウイルスのLTRの部分を用いたキメラLTR、SFFVの部分欠失LTRを作成し、これらのLTRを持つベクターを作成した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tsuji T et al.: "Retroviral vector-mediated gene expression in human CD34+38- cells expanded in vitro : cis-elements of FMEV are superior to those of MOMLV"Hum Gene Ther. 11. 271-284 (2000)
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[Publications] Danno S et al.: "Decreased expression of mouse rbm3, a cold-shock protein, in sertoli cells of cryptorchid testis."Am J Pathol. 156. 1685-1692 (2000)
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[Publications] Tatsumi K. et al.: "Induction of tryptophan 2,3-Dioxygenase in the mouse endometrium during implantation"Biochem Biophys Res Commun. 274. 166-170 (2000)