2002 Fiscal Year Annual Research Report
サイクロオキシゲナーゼ選択的阻害剤の胎児循環への影響
Project/Area Number |
12557086
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
原田 健二 秋田大学, 医学部, 助教授 (20221509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 真通 秋田大学, 医学部, 助手 (10270844)
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Keywords | サイクロオキシゲナーゼ阻害剤 / 動脈管 / 腎臓 / 胎児 |
Research Abstract |
高選択的サィクロオキシゲナーゼ2(COX2)阻害剤であるセレコキシブ(Cel)のラット胎児動脈管収縮作用と腎組織変化に及ぼす影響を検討した。 日齢20の妊娠ラットをコントロール群、Cel群(10,20,0,40,50,60,70,80,90,100mg/体重)に分け、薬剤投与24時間後に帝王切開を施行し、娩出した胎仔をドライアイス/・アセトンで急速凍結した。続いてミクロトームで作成した心血管断面を顕微鏡で観察し、動脈管(D)および主肺動脈内径(P)を計測、この比(D/P)を動脈管収縮の指標とした。さらに、胎仔ラットの腎臓を取り出し、腎尿細管の組織学的検討も行った。動脈管径はCel 10mg/kgおよび20mg/kg群ではコントロル群との間に差を認めなかった。しかし、30mg/kgおよび40mg/kgでは有意に動脈管は収縮し、50mg/kgはさらに強い収縮作用を認めた。60mg/kgから100mg/kg群ではD/P比はそれぞれ60mg/kg(0.12±0.09)、70mg/kg(0.17±0.11)、80mg/kg(0.16±0.12)、90mg/kg(0.09±0.10)、100mg/kg(0.06±0.07)であり、50mg/kgとの間に有意差は認めなかった。また、Cel 30mg/kg投与群では、腎尿細管の壊死を認め、この腎尿細管組織変化はCel容量依存性であった。 このように、COX2は投与量が30mg/kg以上では胎児動脈管を有意に収縮させ、腎組織変化を惹起した。これらの結果は国際誌(American Journal Perinatology)に投稿中である。
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