2001 Fiscal Year Annual Research Report
パルスパワー工学による人工呼吸器搭載式の一酸化窒素発生装置の開発
Project/Area Number |
12557132
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
岡元 和文 信州大学, 医学部, 教授 (60093994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 孝行 信州大学, 医学部, 助教授 (80238815)
奥寺 敬 信州大学, 医学部, 助教授 (50252101)
秋山 秀典 熊本大学, 工学部, 教授 (50126827)
篠原 顕治 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (80293504)
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Keywords | 一酸化窒素吸入 / 呼吸不全 / 人工呼吸 / 二酸化窒素 |
Research Abstract |
本研究では,臨床応用可能な一酸化窒素(NO)発生装置の開発を行うことを目的とした。放電電極として一対の真鍮製円柱状電極を使用したNO生成回路を作成し、電極間に2ppsのアーク放電を起こし,回路内窒素/酸素比を変化させ生成されたNOと二酸化窒素(NO2)を測定した。追試研究でも、アーク放電の回路内に流れる窒素/酸素比は20-30%で最も効果的にNOが生成された。更に、回路内窒素/酸素比を2.75/1に固定し,アーク放電の周波数を0〜4.5ppsに変化させ生成されたNOとN02を測定した追試研究でも、アーク放電の周波数が高いほどNO, NO2生成濃度は増加し、4.5ppsで48ppmのNOが得られた。一方,N02濃度は周波数を増しても増加することはなかった。これらの結果もとに、臨床応用可能なNO発生装置とするために、NO以外に生成されるオゾンやN02の除去研究を行った。当初、オゾン生成の危険性を考慮したが、高熱下ではオゾン生成は少なく問題とならなかった。最も苦労しているのはNO2の除去である。除去目標を本邦の環境許容量の0.04-0.06ppm以下に維持することとしているが、この基準をクリアするにはモリブデンを用いたNO除去法では不十分であることがわかった。モリブデン使用下では数ppmのNO2が残った。基準をクリアするにはNOガス産生量を抑制する必要がある。必要ならば、回路の途中にNO2吸着剤を挿入する工夫も必要である。なお、NO発生装置の耐用期間を少なくとも連続運転で3カ月は不可欠と考えている。放電の連続により真鍮電極が磨耗する。現在3ヶ月間の連続耐用試験のための実験を継続中である。
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