ビタミンD3受容体遺伝子解析による前立腺癌high risk groupの同定

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12557133
• Research Institution: University of the Ryukyus
• Principal Investigator: 内藤 絢子 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (40239356)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 橘 政昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (70129526) ; 秦野 直 琉球大学, 医学部, 助教授 (10101924) ; 小川 由英 琉球大学, 医学部, 教授 (50051719) ; 宮川 路子 法政大学, 人間環境学部, 助教授 (30276216) ; 堀口 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60229234)
• Keywords: ビタミンD受容体 / 泌尿器科疾患 / 前立腺癌 / PCR-RFLP / 遺伝子多型解析 / high risk group

Research Abstract

琉球大学医学部附属病院泌尿器科を受診した泌尿器科疾患(前立腺癌を始めとした腫瘍性疾患、結石など)の患者ならびに、健常コントロールより採取した末梢血よりリンパ球を分離しDNAを調整した。ビタミンD受容体遺伝子イントロン8からエクソン9に分布する3つのPCR-RFLPマーカーに関して解析し、コントロール群(101例)におけるgenotypeはTaqIについてはTT(74.3%)、Tt(24.8%)、tt(1.0%)、BB(4.0%)、Bb(27.7%)、bb(68.3%)、ApaIについてはAA(11.9%)、Aa(43.6%)、aa(44.6%)であった。これに対し、尿路結石の患者(59名)においては、TT(69.5%)、Tt(28.8%)、tt(1.3%)、BB(1.7%)、Bb(33.9%)、bb(64.4%)、AA(15.3%)、Aa(42.4%)、aa(42.4%)であった。結石患者を、結石の大きさ、以前に結石の既往歴があるかどうか、個数などで、重症度をスコアリングして2群に分けてみたところ、軽症群においては、TT genotypeが82.1%であるのに対し、重症群においては、TT genotypeが45.0%と有意に低く、t alleleを一つでも持つ群において重症の結石症が高頻度に見られることがわかった。このことにより、t alleleを一つでも持つ結石患者は再発のhigh risk groupとして臨床上重要である可能性が示唆された。今後、同様の検討を他の疾患群で行う予定である。