2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎児脳組織性状診断を目的とした三次元超音波画像構築法の開発と実用性の検討
Project/Area Number |
12557139
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 仁雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40038766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀本 直幹 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40243927)
佐藤 昌司 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (00225947)
福島 重廣 九州芸術工科大学, 大学院・芸術工学研究科, 教授 (60027927)
望月 剛 アロカ株式会社, 研究所, 主任研究員
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Keywords | ヒト胎児 / 三次元超音波画像 / 胎児行動 |
Research Abstract |
既存の三次元超音波画像構築法のひとつであるVolume-Modeは正確な立体位置情報を基礎とした技術である。しかしながら、深部を含む広範囲をスキャンすることを目指していたため1回のスキャンに長い時間を要しており、動きを伴う胎児の微細な観察には不向きであった。そこで、本年度は、現行の探触子を改良し、胎児や母体の動き等の影響を受けることが少ない、高速でのスキャン可能な装置の開発を目指した。このような目的に則して、スキャン領域を任意に設定可能且つ、機械的なスキャン速度が高速で可変となる装置を開発した。これには、単なるハードウェアの改変のみならず、スキャン速度の上昇に伴うデータ欠損部位の補間方法の改善も要した。その結果、スキャン角度を60度に設定した場合6フレーム/秒、45度に設定した場合8フレーム/秒の三次元画像再構築速度を達成することができた。現在普及している装置は1〜2フレーム/秒に留まっており、動画像記録装置としては数倍の時間分解能向上に当たる。この装置を用いて妊娠初期の胎児を観察したところ、四肢すべてを描出しつつ、その運動をリアルタイムに近い状態で観察することが可能であった。しかしながら、本年度末の時点では三次元の各点に対応する超音波信号の原データを超音波装置外に出力して保存することは達成できていない。また、三次元画像の画質も十分とはいえない。これらは所期の目的を達する上で不可欠であり、来年度以降の課題として残っている。
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