2001 Fiscal Year Annual Research Report
味覚受容体遺伝子を用いた味覚障害の研究や味覚修飾物質の開発への応用
Project/Area Number |
12557143
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
島田 昌一 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20216063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 高史 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90244540)
平林 義章 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (30181184)
村上 信五 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (80157750)
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (20326135)
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Keywords | 味覚受容体 / 味覚修飾物質 / 受容体 / クローニング / 遺伝子 / 順応 |
Research Abstract |
健常人50名より、倫理的同意のもとに血液を採取して、ヒトの3種類の味覚受容体遺伝子T2R3、T2R4、T2R5の塩基配列を解析した。どの遺伝子においてもアミノ酸変異を伴うcSNPが認められた。特にT2R4では3カ所にアミノ酸変異を伴うcSNPが存在した。この結果は、味覚受容体遺伝子は、他の遺伝子に比べると非常に高い頻度でcSNPを含んでいることを示している。例えばT2R4という同一味覚受容体遺伝子でもヒトによって最大で8種類の異なるアミノ酸配列が存在していることを示す。つまり、これらの味覚受容体遺伝子には大きな個人差が存在していることを明かにした(Ueda et al. Biochem Biophys Res Commun285,2001,147-151.)。このことは、実際の味覚検査で個人によって味に対する感受性や選択性が異なるという事実の、分子レベルでの説明していく上での大きな糸口になる。また、味覚受容体遺伝子と味覚障害との関係や、味覚受容体遺伝子と生活習慣病の罹患率との関係もこれらの方法を介して解析が可能となる。そこで、現在我々は、味覚受容体遺伝子の多様な変異による受容体の機能変化について解析を始めている。 酸味受容の順応に大きな影響を与えるサブユニットASIC2bに関して人工的な点変異実験を行い、ASIC2bの構造上で受容体の順応現象に影響を及ぼすkeyアミノ酸を同定した。具体的には、ASIC2bの481番目のグリシンをフェニルアラニンに人工的に置換すると酸に対する応答のにおいて順応が全く見られなくなった。これらの結果は、味覚応答で特徴的な順応の特性を分子レベルで解明した一つの証拠である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ugawa S: "Cloning and functional expression of ASIC-b2, a splice variant of ASIC-b, that alters pH-sensitivity of acid-sensing ion channel complex"Neuroreport. 12. 2865-2869 (2001)
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[Publications] Ugawa S: "A single amino acid substitution in MDEG2 speciffically alters desensitization of the proton-activated catloh current"Neuroreport. 12. 2141-2145 (2001)
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[Publications] Ueda T: "Identification of coding single-nucleotide polymorphisms in human taste receptor genes involving bitter tasting"Blochern Blophys Res Commun. 285. 147-151 (2001)
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[Publications] Ugawa S: "Cloning of a mouse colonic system B 0+ amino acid transporter related to amino acid absorption in the colon"Am J Physiol. 281. G365-370 (2001)
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[Publications] Ueda T: "Diffuse brain injury induces local expression of Na(+)/myo-inositol cotranspotter in the rat brain"Mol Brain Res. 86. 63-69 (2001)
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[Publications] Ueda T: "Expression of receptor-activity modifying protein(RAMPs) mRNAs in the mouse brain"Mol Brain Res. 93. 36-45 (2001)