2000 Fiscal Year Annual Research Report
容量性Ca^<2+>チャネルの新規阻害薬の開発と病態治療への応用
Project/Area Number |
12557155
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土肥 敏博 広島大学, 歯学部, 教授 (00034182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 克也 広島大学, 歯学部, 講師 (10116684)
北山 滋雄 広島大学, 歯学部, 助教授 (80177873)
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Keywords | 容量性Ca^<2+>流入 / SOC / カルシュウム / Caffeine / theophylline / SK&F96365 / thapsigargin / PACAP |
Research Abstract |
細胞内Ca^<2+>ストアのCa^<2+>枯渇がCa^<2+>流入を活性化するという容量性Ca^<2+>流入機構(store-operated Ca^<2+> channel:SOC)を担うチャネルは興奮性細胞のみならず,特に,炎症,免疫,唾液腺などの非興奮性細胞に発現し,その細胞機能発現に重要な役割を果たしている.しかしその実体は同定されていない.電位依存性Ca^<2+> channelの阻害薬(拮抗薬)は特に循環器系疾患治療薬として臨床的に重要な位置を占めているのに比べ,SOCの特異的阻害薬はまだ知られていない.本研究は,SOCに連関する情報伝達系およびその阻害薬と臨床的意義について検索した. 1 Pituitary adenylate cyclase activating polypeptide(PACAP)のウシ副腎髄質クロマフィン細胞における[Ca^<2+>]i上昇機序とその阻害薬:PACAPは,cAMP,phospholipase C,cyclic ADP-ribose,電位依存性Na^+ channel,電位依存性Ca^<2+> channel非依存性に細胞外Ca^<2+>流入を促進することが示唆された.このCa^<2+>流入は,SOC阻害薬SK&F96365により阻害されたが,GdCl_2によっては阻害されなかった. 2 Caffeineおよびtheophyllineはウシ副腎髄質クロマフィン細胞におけるacetylcholine(ACh)による[Ca^<2+>]i上昇,thapsigargin(TG)およびTPEN誘発Ca^<2+>流入を抑制した.この作用は,SOC阻害薬SK&F96365,econazole, miconazoleより強かった. 3 Caffeine, theophyllineは,唾液腺細胞において単独では[Ca^<2+>]Iに影響しないが,AChによる[Ca^<2+>]i上昇およびCa^<2+>流入,TGによるCa^<2+>流入を阻害した. 4 Caffeineはモルモット気管支平滑筋のROC活性化による収縮を著明に抑制した.以上,メチルキサンチンに新しい作用が認められた.
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