Research Abstract |
細胞内Ca^<2+>ストアのCa^<2+>枯渇がCa^<2+>流入を活性化するという容量性Ca^<2+>流入機構(store-operated Ca^<2+> channel : SOC)を担うチャネルは興奮性細胞のみならず,特に,炎症,免疫,唾液腺などにも発現し,その細胞機能発現に重要な役割を果たしている.本研究は,SOCに連関する情報伝達系およびその阻害薬と臨床的意義について検索した. 1 Pituitary adenylate cyclase activating polypeptide(PACAP)のウシ副腎髄質クロマフィン細胞における[Ca^<2+>]i上昇機序とその阻害薬:PACAPは,cAMP phospholipase C, cyclic ADP-ribose,電位依存性Na^+ channel,電位依存性Ca^<2+> channel非依存性に細胞外Ca^<2+>流入を促進することが示唆された.このCa^<2+>流入は,SOC阻害薬SK&F96365, LOE908,econazoleにより阻害されたが,7,8-benzoflavone, NDGA, NPPB, fulfenamic acid, niflumic acid, GdCl_3によっては阻害されなかった. 2 ThapsigarginはPACAPによる初期の[Ca^<2+>]i上昇を抑制したがCa^<2+>,Mn^<2+>流入を抑制しなかた. 3 Caffeine, theophyllineはウシ副腎髄質クロマフィン細胞におけるacetylcholine (ACh)による[Ca^<2+>]i上昇,thapsigargin(TG)およびTPEN誘発Ca^<2+>流入を抑制した.この作用は,SOC阻害薬SK&F96365, econazole, miconazoleより強かった. 4 Caffeine, theophyllineは,唾液腺細胞において単独では[Ca^<2+>]iに影響しないが,AChによる[Ca^<2+>]i上昇およびCa^<2+>流入,TGによるCa^<2+>流入を阻害した. 5 Caffeineはモルモット気管支平滑筋のROC活性化による収縮を著明に抑制した.以上,メチルキサンチンに新しい作用が認められた.
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