2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12557163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 雅彦 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (60195211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 誠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80091768)
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
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Keywords | 摂食機能 / 嚥下機能 / 呼吸機能 / 姿勢 / 顎筋活動 / 呼吸曲線 / 嚥下障害 / データベース |
Research Abstract |
摂食・嚥下の過程において、食物の種類や量が呼吸動態や顎・頸筋群に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、正常成人を対象に呼吸曲線、下顎運動、喉頭運動、各筋電図を検索した。被験者は健常成人男性9名とし、垂直座位にて空嚥下、水5ml・20mlの嚥下、直径10・15・25mmの均質な球状寒天の咀嚼と嚥下の6条件を5試行ずつ行わせ、MKG(Mandibnlar Kinesiograph)による下顎運動,咬筋・舌骨上筋群・下筋群の表面筋電図・胸囲用呼吸ピックアップセンサによる胸郭呼吸運動、ストレインゲージによる鼻呼吸フローと高感度圧トランスデューサによる喉頭運動を同時記録した。 最終年度は研究の総括を行い、以下の結論を得た。 1.1回の嚥下においても、食品の大きいものは送り込みストローク数を増やして咽頭へ送ることによって咽頭期嚥下を調節していることが明らかとなった。 2.食物の大きさにより捕食を行う際の呼吸動態の特徴が示された。すなわち、大きな食物は吸気相で取り込みの補助をし、小さい食物は呼気相で吸引の防止をするという食物取り込みの際の呼吸動態が明らかとなった。 3.咽頭期嚥下は全被験者の全試行において呼気相内で起こった。 4.呼気相内の嚥下性無呼吸の開始が実験条件で異なった。すなわち、至適一回嚥下量の嚥下はそれより少ない場合と比較して、嚥下性無呼吸の開始が呼気の開始点に近づいた。 以上の知見は、咀嚼・嚥下・呼吸機能の相互メカニズムを解明するための一助となり、また、このような顎口腔系・呼吸器系および咽頭・喉頭機能の生理学的評価は、摂食・嚥下障害における食品の選定や診断、さらには治療に有益な情報を提供するものと思われる。
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