2000 Fiscal Year Annual Research Report
下顎運動時に観察される頭部平衡運動を指標とした顎機能評価法に関する研究
Project/Area Number |
12557167
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
河野 正司 新潟大学, 歯学部, 教授 (50014098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 圭介 新潟大学, 歯学部, 助手 (30313521)
荒井 良明 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10301186)
小林 博 新潟大学, 歯学部, 助教授 (00225533)
五十嵐 直子 新潟大学, 歯学部, 助手 (20313520)
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Keywords | 下顎運動 / 頭部運動 / 顎機能評価法 |
Research Abstract |
下顎タッピング運動時に見られる頭部運動が,頭部の姿勢バランス保持のため存在すると考えると,バランスを崩す外乱が加わった場合には,頭部運動の存在は疑われる.その場合にも頭部運動が存在するならば,外乱に対抗する運動の存在が予想される.そこで頭部に外乱負荷を加えて,頭部の重心を変化させた状態で下顎運動に随伴する頭部運動を観察し,頭部運動の機能的意義の考察を行った. 被験者は,顎口腔系に異常を認めない者11名とし,下顎運動と頭部運動の測定には6自由度顎運動測定装置トライメットを使用した.測定は,3種類の下顎開口量,3種類のタッピング頻度,および頭部に外乱負荷として1.5kgの錘負荷を加えた状態で頭部重心の変化が,頭部運動へ与える影響を検討する目的で下顎タッピング運動を記録し,以下の結果を得た. 1.タッピング運動の開口量や頻度が低い状態では,頭部のバランスを取る必要性が低下した.2.頭部に外乱を負荷した場合は,頭部運動の出現率が低下した.3.外乱負荷のない場合の回転中心は,顆頭点の後上方に頭部内に存在した.4.頭部上に直接外乱を負荷した場合,回転中心は頭部内に在ったが,頭部外前方に加えた場合は頭部外上方に存在した.この場合には,頭部外上方に回転中心を持つ振り子状の運動を行っていた. 頭部運動が頭部内に回転中心を持つ回転運動,または頭部上方に回転中心を持つ振り子様の運動でも,頭部と体幹の連結部にあたる環椎後頭関節では,後頭顆が環椎の上関節窩に沿って,前後方向へのみ移動する運動となる.これにより頭部運動の方向が規制されつつ,下顎運動による頭部の重心の変化や下顎運動の速度による頭部のダイナミクスの変化に対抗して,頭部全体のバランスをとるために頭部運動が存在すると考えられる.
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Research Products
(2 results)