2000 Fiscal Year Annual Research Report
口唇裂口蓋裂に対する新しい治療法の確立-in vitro hybrid人工骨を用いた基礎的研究-
Project/Area Number |
12557185
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
日浦 賢治 徳島大学, 歯学部, 助教授 (20228696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 信也 徳島大学, 歯学部, 助手 (70263861)
横関 雅彦 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10314866)
森山 啓司 徳島大学, 歯学部, 教授 (20262206)
渡辺 真太郎 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (00274241)
廣瀬 健 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (40325288)
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Keywords | 口唇裂口蓋裂 / 自家腸骨海面骨移植術 / 架橋ハイドロゲル / FGF-2 / BMP / soft X-ray |
Research Abstract |
口唇裂口蓋裂に対する総合治療の一環として、自家腸骨海綿骨移植術を施す患者が増加してきた。最近我々は、顎裂部への新鮮自家腸骨海綿骨移植術の予後に影響を与える因子について検討した結果、移植時年齢に関しては低年齢(8歳以下)、顎裂幅に関しては4〜8mm以下の状態で行った移植術が予後良好であることを報告したが、実際の臨床ではこの条件を満たす症例ばかりではなく、新しい治療方法の開発の必要性を痛感した。本研究は、口唇裂口蓋裂に対する新しい治療方法として、人工骨応用の可能性における基礎研究を目的とするものである。本年度は、10wt%濃度の酸性ゼラチン水溶液にグルタルアルデヒドを加え4℃、12時間の条件でゼラチンを化学架橋した。架橋ハイドロゲルを直径6mm、厚さ2mmのディスク状に形成した後、100mMのグリシン水溶液にて未反応グルタルアルデヒドを不活性化し、その後、蒸留水にて数回洗浄し、凍結乾燥することによって架橋ゼラチンハイドロゲルを得た。エチレンオキシドガスで滅菌した凍結乾燥ゼラチンハイドロゲルディスクの上に、種々の濃度のサイトカイン(FGF-2あるいはBMP-2,4,7)を滴下し、4℃、12時間静置することによりサイトカインを浸み込ませ、サイトカイン含浸コラーゲンスポンジを作成し実験群とした。対照群には生理食塩水含浸コラーゲンスポンジを用い、ウサギ大腿骨より採取した骨髄間質細胞画分をコラーゲンスポンジ中に注入し三次元・培養を開始した。経時的に撮影したsoft X-ray写真の不透過性をNIHimageソフトを用いて解析し、in vitroにおける骨形成能について検討した結果、対照群に比べてFGF-2(100ng/ml)群では、培養開始4週間後より顕著な石灰化物の形成が認められたが、BMP-4,7群には認められなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Okamoto,K.Hium,G.Ohe,Y.Ohba,K.Terui,T.Oshikawa,S.Furuich,H.Nishikawa,K.Moriyama,H.Yoshida,M.Sato.: "Mechanism for bone invasion of oral cancer cells mediated by interleukin-6 in vitro and in vivo"Cancer. 89・9. 1966-1975 (2000)
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[Publications] 日浦賢治,森山啓司: "矯正治療における破骨細胞の分化と機能"四国歯学会雑誌. 13・2. 241-251 (2000)