2000 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属を用いる固相ヘテロ環合成実用化に関する展開研究
Project/Area Number |
12557198
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
根東 義則 東北大学, 薬学研究科, 教授 (90162122)
|
Keywords | 有機金属 / 複素環化合物 / 固相反応 / メタル化 / アート錯体 / ポリアー担体 / パラジウム触媒 / 炭素-炭素結合生成 |
Research Abstract |
複素環化合物,特に含窒素芳香複素環化合物の有機金属試薬を用いる固相担体上におけるメタル化反応を詳細に検討した.インドール誘導体およびピリジン誘導体をポリスチレン担体に固定化しハロゲンーメタル交換反応を種々試みた.申請者が既にベンゼン誘導体の固相メタル化の有効な試薬であることを示した亜鉛アート錯体をメタル化剤として用いるとともに、有機マグネシウム化合物についても検討した.また脱プロトン化反応についても同様に種々の金属試薬を用いて検討した.この反応については,さらに有効なメタル化剤の検討が必要であるが利用展開の可能性を示すことができた.以上の反応をピリミジンやピロールなどの含窒素複素環化合物についても検討し,親電子剤との反応を行った.またパラジウム触媒を用いるクロスカップリング反応の利用を試み,選択的な炭素-炭素結合生成により種々のヘテロビアリール誘導体の合成を行った。本手法はこの型の生理活性物質の精密合成に有効であることを示した.固相反応は液相反応と異なりTLCチェックは用いることができず,簡便に反応の進行を追跡する手法の確立が求められているため、基質がメタル化されたポリマーのATR赤外吸収スペクトルを解析し,反応の進行とスペクトルとの相関関係を分析し、この手法が反応の追跡法として有効であることを確認した.このための機器としてATR IR解析装置を備品として購入した.また,リンカーやスペーサーとメタル化反応に対する反応性との関わりについても調べ,さらに詳細に検討する必要があることを確認した.また、新しい試みとして可溶性のポリマー担体を利用するメタル化反応を行い、その展開の可能性を示すことができた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Y.Kondo,T.Komine,T.Sakamoto: "Polymer Support Assisted Selective Functionalization of Azoles Using a Palladium-Catalyzed Coupling reaction"Organic Letters. 2(20). 3111-3113 (2000)
-
[Publications] Y.Kondo,K.Inamoto,T.Sakamoto: "Photoinduced Cyclorelease for Condensed Heteroaromatic Synthesis"J.Comb.Chem.. 2(3). 232-233 (2000)
-
[Publications] Y.Kondo,M.Asai,T.Miura,M.Uchiyama,T.Sakamoto: "Mesityllithium as a Reagent for Chemoselective Halogen-Lithium Exchange Reaction"Organic Letters. 3(1). 13-15 (2001)
-
[Publications] M.Shilai,Y.Kondo,T.Sakamoto: "Selective Metallation of Thiophene and Thiazole Rings with Magnesium Amide Base"J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1. 442-444 (2001)