2001 Fiscal Year Annual Research Report
テルペンユニットを活性単位とした抗トリパノソーマ薬の開発
Project/Area Number |
12557199
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木内 文之 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60161402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 孝 順天堂大学, 医学部, 教授 (20053283)
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Keywords | Trypanosoma cruzi / terpenoid / sesquiterpene lactone / Chenopodium ambrosioides / Michelia alba / β-resorcylic acid ester / トリパノソーマ / HeLa細胞 |
Research Abstract |
1.Backchiol. β-resorcvlic acid esterおよびstilbene関連化合物の抗トリパノソーマ活性 Bakuchiolに類似した構造モデルとしてβ-resorcylic acidエステルおよびスチルベン関連化合物の各種合成し,Trypanosoma cruziのepimastigoteに対する殺虫活性を検討した.β-Resorcylic acidのアルキルエステル類では,アルキル側鎖がメチル(C1),エチル(C2)のものはほとんど活性をしめさなかったが,側鎖がブチル(C4),ペンチル(C5)と長くなるに従い活性が上昇し,bakuchiolの側鎖の長さに対応するヘプチル(C7)からデシル(C10)の長さのものが強い活性を示した.一方,フェニルエチル基を持つフェノール化合物である3,5-dihydroxystylbeneのモノアルキルエーテル類では,アルキル部分の長さを変えても大きな活性の変化は見られなかった. 2.天然モノおよびセスキテルペノイドの抗トリパノソーマ活性 前年度合成したモノテルペンヒドロペルオキシドに関連して,駆虫活性モノテルペンであるascaridole (1)を含むことが知られているChenopodium ambrosioidesの成分を検討し,抗トリパノソーマ活性化合物として1と共にl-limoneneを光増感酸化して得られるものと同一の4種のモノテルペンヒドロペルオキシドを得た.化合物1の活性は,ヒドロペルオキシド類の1/10程度であった.一方,マレーシアで用いられる生薬であるMichelia albaの抗トリパノソーマ活性成分を検討し,costunolide(2), dihydrocostunolide (3), parthenolide (4), dihydroparthenolide (5)等,計12種のテルペン化合物を単離した.これらのうち2, 4の様にα,β-不飽和γ-ラクトン部を有するセスキテルペン化合物は,細胞毒性を持つことが知られており実際HeLa細胞にトリパノソーマを感染させるアッセイ系でHeLa細胞に毒性を示した.これに対し,α,β-不飽和結合を持たない化合物3,5には細胞毒性がほとんど見られず,トリパノソーマに対して選択的な毒性を示すことが明らかとなり,新しい抗トリパノソーマ薬の開発の有望なリード化合物と考えられた.
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