2000 Fiscal Year Annual Research Report
キラル放射性薬剤を用いた神経伝達機能の非侵襲画像評価法の開発と臨床診断への応用
Project/Area Number |
12557205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大桃 善朗 大阪薬科大学, 助教授 (70183241)
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
間賀田 泰寛 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20209399)
東 眞 日本メジフィジックス, 創薬研究所, 所長(研究職)
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Keywords | 脳 / ニコチン受容体 / ノルアドレナリントランスポータ / 光学異性体 / 放射性リガンド / 画像解析 / インビボマッピング / ラジオレセプターアッセイ |
Research Abstract |
本研究の目的は、光学活性な放射性リガンドとPETやSPECTによる核医学放射線画像計測法とを用いて、生きている脳での神経伝達機能をインビボで定量画像解析する方法を開発し、それを基礎とした、新しい脳機能の実験評価法、さらに脳神経疾患の新しい臨床核医学診断法を提案することにある。そのために、本研究では、アルツハイマー病や分裂病などの疾患に関連するといわれている中枢ニコチン性アセチルコリン受容体(nAchR)およびノルアドレナリントランスポータ(NET)機能を対象として、核医学画像解析に適した性質を有する123-ヨウ素を放射性核種とする放射性化合物を設計した。レセプター相互作用に関する構造活性相関的考察により、nAchRに対してはニコチンのピロリジン環部をアゼチジン環に変換し、またピリジン環の5位に放射性ヨウ素を導入した光学活性な(S)-5IAを、またNETに対してはトモキセチンを母体化合物として、化学構造-活性-分布相関に基づいてベンゼン環の2位にヨウ素を導入した(S)-2-ヨードトモキセチン(2-IT)をそれぞれ設計・合成した。得られた化合物について、それぞれnAchRおよびNETへの親和性を測定したところ、5-IAは(S)-ニコチンの約10倍高い中枢ニコチン受容体親和性、2-ITはトモキセチンと同等のNET親和性を示した。また、125-ヨウ素標識体をそれぞれ合成し、それらをラットに靜注し、脳局所での分布を調べた結果、両化合物共に脳への高い移行性とともに、nAchRまたはNETの密度にそれぞれに応じた脳内局所集積を示し、インビボでも脳内のnAchRおよびNETにそれぞれ結合していることが示された。このことより、123-ヨウ素で標識された(S)-5IAおよび2-ITを用いて、SPECTにより中枢nAcRおよび関連神経伝達系のインビボでの情報を得られる可能性が示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hideo Saji: "PET and SPECT applications in medicine and pharmacology in Japan."Ann.Nucl.Med.Sci... 10(12). 225-232 (2000)
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[Publications] Yasuhiro Magata: "Effect of chronic (-)-Nicotine treatment on rat cerebral benzodiazepine"Nucl.Med.Biol.. 27(1). 50-57 (2000)
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[Publications] Nobuhiko Miyazawa: "Protective effect of FK506 in the reperfusion model after short-term occlusion of middle cerebral artery in the rat : assessment by autoradiograp by using [^<125>I]PK-11195."Neurolog.Res.. 22. 630-633 (2000)