2000 Fiscal Year Annual Research Report
正電荷コレステロール誘導体を素材とした正電荷リポソームの遺伝子治療への展開
Project/Area Number |
12557207
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 哲郎 京都大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00025719)
平嶋 尚英 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (10192296)
大和田 智彦 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (20177025)
徳山 悟 日本油脂研究所, 研究員
奥 直人 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10167322)
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Keywords | 遺伝子導入 / 正電荷コレステロール / 正電荷リポソーム / 非ウイルスベクター / 顕微光学法 / エンドサイトーシス / 膜融合 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
正電荷コレステロール誘導体を素材とした画期的な非ウイルスベクターを開発し、遺伝子治療への応用を可能にすることを企てた。同時に、導入遺伝子の細胞内動態を解析する顕微光学技術を確立し、遺伝子治療の基盤技術とした。特に、環状両親媒性(ステロール)分子の開発とリポソームベクターの構築原理を追究した。また、顕微光学法をベクターの評価と探索に利用した。具体的研究は次の4項目を中心にして推進した。(1)正電荷コレステロール誘導体による外来遺伝子の細胞内導入の研究。(2)環状両親媒性ステロール分子を用いた新規ベクターの開発。(3)顕微光学法による導入遺伝子の細胞内動態の解析。(4)新規ベクターのデザインと構築原理の確立とそれを基盤とした遺伝子治療への展開。特に初年度である平成12年度は(1)から(3)の研究項目に焦点を当てて研究を推進した。その結果、項目(1)と(2)では新規正電荷コレステロール誘導体の発見や、環状両親媒性(ステロール)分子を素材とした新規の非ウイルスベクターの開発に成功した。これらの新規非ウイルスベクターは安全性が高いだけでなく、既存の非ウイルスベクターと比較しても、遺伝子導入の効率が非常に高いことも明らかに出来た。また、血清存在下でも遺伝子導入の効率がそれほど減少せず、in vivoへの応用性も非常に高いことが示された。それと同時に、項目(3)の顕微光学法を遺伝子導入の基盤技術として高度に応用する各種の新規技術を開発し、導入遺伝子の細胞内動態と遺伝子導入機構の追究を行った。その結果、正電荷リポソームによる外来遺伝子の細胞内導入は、正電荷リポソーム・DNA複合体がエンドサイトーシスで細胞内に導入された後に、エンドソーム内での膜融合の際にDNAが選択的に核内に移行することを明らかにした。また、DNAの核移行には細胞骨格蛋白質も働きも密接に関与していることを顕微光学法により初めて明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Dace,A.,Zhao,L.,Park,K.S.,Furuno,T.,Takamura,N.,Nakanishi,M.,West,B., et al.: "Hormone binding induces rapid proteasome-mediated degradation of thyroid hormone receptors."Proc.Natl.Acad.Sci.USA.. 97. 8985-8990 (2000)
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[Publications] Ohshiro,H.,Suzuki,R.,Furuno,T.,Nakanishi,M.: "Atomic force microscopy to study direct neurite-mest cell (RBL) communication in vitro."Immunol.Lett.. 74. 211-214 (2000)
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[Publications] Suzuki,R.,Furuno,T.,Teshima,R.,Nakanishi,M.: "Bi-directional flow of in vitro mast cell-nerve communication observed by confocal laser scanning microscopy."Biol.Pharm.Bull.. 24. 291-294 (2001)
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[Publications] Furuno,T.,Hirashima,N.,Onizawa,S.,Sagiya,N.,Nakanishi,M.: "Nuclear shuttling of mitogen-activated protein (MAP) kinase (extracellular signal-regulated kinase (ERK) 2) was dynamically controlled by MAP/ERK kinase after antigen stimulation in RBL-2H3 cells."J.Immunol.. (in press). (2001)
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[Publications] Amano,T.,Furuno,T.,Hirashima,N.,Ohyama,N.,Nakanishi,M.: "Dynamics of intracellular granules with CD63-GFP in rat basophilic leukemia cells."J.Biochem.. (in press). (2001)
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[Publications] Fujiwara,T.,Hasegawa,S.,Hirashima,N,Nakanishi,M,Owada,T.: "Gene transfection activities of novel amphiphilic cholestane-polyamine conjugates"Biochim.Biophys.Acta. 1468. 396-402 (2000)