2001 Fiscal Year Annual Research Report
エイズウイルス複製に関わるヒトの遺伝子転写装置を標的とした抗エイズ医薬の分子設計
Project/Area Number |
12557219
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大塚 雅巳 熊本大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40126008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 哲郎 熊本大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (60182474)
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Keywords | 人工配位子 / エイズウイルス / NFκB / HIV-EP1 / Sp1 |
Research Abstract |
エイズプロウイルス遺伝子のプロモーター領域であるLong Terminal Repeatには、2つの連続したκB配列、3つの連続したGCボックス、1つのTATAボックスからなる特徴的な転写制御配列が存在し、それらに結合する蛋白質NFκB、HIV-EP1、Sp1などがエイズウイルスの転写、複製の制御に関わっている。本研究ではこれらの転写関連蛋白質の機能を阻害すること、およびLong Terminal Repeatを標的としたDNA切断剤の分子設計を行うこと、の2とおりの蛋白質・核酸両面からのアプローチを行うことを目的とした。 上記蛋白質のうちHIV-EP1とSp1はDNA認識結合部分に亜鉛を含む亜鉛フィンガー蛋白質である。これらの蛋白質から亜鉛を引き抜き失活させることによる阻害を目的として、ジメチルアミノピリジン核を機軸とした種々の金属キレーターを合成した。平成13年度は、亜鉛との結合性を考慮し、ヒドロキサム酸型の側鎖を2つ、ジメチルアミピリジンの2位と6位に導入した対称的構造の化合物の合成を検討した。 研究代表者らは、酸素活性化能力をもちDNAを非選択的に切断する化合物HPHをさきに開発した。平成13年度は、これにエイズプロウイルスのLong Terminal Repeatの塩基配列を認識する部位を導入するためのリンカー部位として、ハロゲノヘキシル基を導入した。 エイズプロウイルスDNAの塩基配列を特異的に認識することを目的とし、二本鎖DNAに結合して三本鎖を形成しうる新規ペプチド核酸の分子設計を行った。平成13年度にはチミン塩基とグアニン塩基を有するペプチド核酸のモノマーを合成し、次いでこれらを連結してオリゴマーとした。 今後はリンカーを有するHPHにペプチド核酸などの塩基配列認識部位を導入する予定である。
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[Publications] Hiromasa Kurosaki: "Synthesis, Characterization, and Spectroscopic Properties of Three Novel Pentadentate Copper(II) Complex Related to the Metal-Chelating Inhibitors against the DNA-Binding with HIV-EP1"J. Chem. Soc., Dalton Trans.. 2001. 441-447 (2001)
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[Publications] Yasuharu Hori: "Sensitization of Hyperthermic Treatment of Leukemic Cell Lines by a Synthetic Peptide"Bioorg. Med. Chem.. 10(1). 111-115 (2002)
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[Publications] Takashi Morii: "A New Fluorescent Biosensor for Inositol Triphosphate"J. Am. Chem. Soc.. 124(7). 1138-1139 (2002)