2001 Fiscal Year Annual Research Report
診断時の被曝線量低減を目的としたX線CT装置の品質管理システムの開発
Project/Area Number |
12557223
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 政雄 大阪大学, 医学部, 助教授 (50149944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 仁志 福井工業大学, 工学部, 教授 (70027770)
小縣 裕二 大阪大学, 医学部, 助手 (60281127)
窪田 英明 大阪大学, 医学部, 助手 (30234496)
渥美 岐史 東洋メディック(株), 機器開発課, 研究職
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Keywords | 90°散乱X線スペクトル / CdZnTe検出器 / モンテカルロシミュレーション / X線CT装置 / 一次X線スペクトル |
Research Abstract |
本研究は、(1)医療現場で手軽に使用できるCdZnTe検出器を用いたX線CT装置のスペクトル測定システムを確立すること、(2)患者の被曝線量を低減するために、X線CT装置の基礎データとして、各種CT撮影条件下でのX線スペクトルを測定して、X線の線質を改善し、さらに散乱X線のスペクトルも測定して、このスペクトル測定システムの適用範囲を明らかにするとともに、これを使ったX線CT装置の品質管理システムを開発することである。以下に、これまでの研究実績の概要を述べる。 X線CT装置の一次X線スペクトルは、撮影条件では管電流が50mA〜300mAと大きいので照射線量が大きくなり、また、ガントリー内で距離をとることができないため、直接に一次X線スペクトルを測定することは困難である。そのため、われわれは、カーボン散乱体を利用して、90°方向に散乱させた散乱X線スペクトルをCdZnTe検出器で測定し、その散乱X線スペクトルからクライン-仁科の微分散乱断面積の式を用いて、一次X線スペクトルを逆算して求める方法を開発した。また、この開発した逆算の方法がとれくらいの精度があるかを検討するためにモンテカルロシミュレーションを使って検証した結果、低エネルギー領域でレーリー散乱の影響による誤差があるものの、実用性に問題がないことも確かめた。
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[Publications] S.Miyajima, H.Sakuragi, M.Matumoto: "CdZnTe detector as an X-ray spectrometer"Physics of Medical Imaging, SPIE. 4320. 148-155 (2001)
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[Publications] Y.Asai, H.Kanamori, Y.Ozaki, A.Takigawa, H.Kubota, M.Matsumoto: "Reduction of patient dose on medical radiographs using scattered X-rays"Medical Image Acquisition and Processing, SPIE. 4549. 86-91 (2001)
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[Publications] 松本政雄, 稲邑清也: "平面検出器"映像情報メディア学会誌. 55・5. 603-607 (2001)
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[Publications] Matsumoto Masao, Yamazaki Takaharu, Ogata Yuji, Kubota Hideaki et al.: "Measurement of computed tomography x-ray spectra using a CdZnTe detector"Radiation Detectors and Their Uses 2001, KEK Proc.. 2001・20. 88-96 (2001)
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[Publications] S.Miyajima, K.Imagawa, M.Matsumoto: "The CdZnTe detector in the measurement of mammographic x-ray spectra"Radiation Detectors and Their Uses 2001, KEK Proc.. 2001・20. 97-105 (2001)
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[Publications] 松本政雄, 稲邑清也: "フラットパネル-物理特性"Radiology Frontier. 4・4. 33-37 (2001)