2002 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性SV40T抗原遺伝子導入ラットを用いた血液網膜関門培養細胞実験系の開発
Project/Area Number |
12557226
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
細谷 健一 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (70301033)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河津 剛一 参天製薬, 眼科研究所・動態研究グループ, マネージャー(研究職)
帯刀 益夫 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10099971)
片山 和憲 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (70126514)
|
Keywords | 条件的不死化細胞株 / TR-iBRB細胞 / 内側血液網膜関門 / アミノ酸輸送 / LAT1 / TAUT / 浸透圧 |
Research Abstract |
内側血液網膜関門におけるアミノ酸輸送機能を解明するため、温度感受性SV40T抗原遺伝子導入トランスジェニックラットから樹立した条件的不死化網膜毛細血管内皮細胞株(TR-iBRB)をin vitroモデルとして用いてアミノ酸輸送機能解析を目的とした。中性アミノ酸輸送系、system Lの基質である[^3H]L-leucineおよび[^3H]taurinを用いてTR-iBRB細胞の輸送機能を解析した。[^3H]L-LeucineのTR-iBRB細胞への取り込みはNa^+非依存性および濃度依存性を示し、そのMichaelis定数(Km)は24μMであった。[^3H]L-Leucineの取り込みはphenylalanine、methionineおよび2-aminobicyclo-(2,2,1)-heptane-2-carboxylic acid(BCH)などによって阻害され、LAT1の関与が示唆された。リアルタイム定量PCRからTR-iBRB細胞にはLAT1 mRNAがLAT2m RNAの44倍高発現していることが明らかとなり、さらにWestern blotによってLAT1タンパクの発現が示された。[^3H]TaurineのTR-iBRB細胞への取り込みはNa^+、Cl^-依存性および濃度依存性を示し、そのKm値は22μMであった。[^3H]Taurineの取り込みはbeta-alanine、hypotaurine、taurocyamineによって阻害され、taurine transporter(TAUT)の関与が示唆された。RT-PCRおよびWestern blotの結果、TR-iBRB細胞にTAUTが発現していることが明らかとなった。さらに、TAUT mRNAの発現量はtaurine存在下でTR-iBRB細胞を培養することで減少し、高浸透圧下で増加することが示された。以上の結果から、TR-iBRB細胞にはLAT1およびTAUTが発現し、アミノ酸輸送を担っていることが示された。さらにTAUTは周辺環境の変化に対応した発現調節を受け、網膜内ホメオスタシスの維持に重要な役割を果たしていることが示唆された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] M.Tomi: "Induction of the xCT gene expression and L-cystine transport activity by diethyl maleate at the inner blood-retinal barrier"Invest. Ophthalmol. Vis. Sci.. 43. 774-779 (2002)
-
[Publications] T.Asashima: "Newly developed rat brain pericyte cell line, TR-PCT1, responds to transforming growth factor-β1 and β-glycerophosphate"Eur. J. Cell Biol.. 81. 145-152 (2002)
-
[Publications] C.H.Chau: "Coordinating Etk/Bmx activation and VEGF upregulation to promote cell Survival and proliferation"Oncogene. 21. 8817-8829 (2002)