2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12557233
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岩尾 洋 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00137192)
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Keywords | 抗Thy1腎炎 / ジンセノイドRo / オレアノール酸 |
Research Abstract |
(研究の目的) 近年、腎不全のため透析へと移行する患者は年々増加傾向にあり,慢性糸球体腎炎から腎不全へと至る過程を防ぐ強力な薬の開発が望まれている。ヒトの慢性腎不全に至る大きな原因のひとつである腎炎のうちで最も頻度が高いのがメサンギウム増殖性腎炎である。メサンギウム増殖性腎炎モデルである抗Thy1腎炎ラットに、オレアノール酸系化合物を経口投与すると、尿蛋白排泄低下作用、血漿尿素窒素と血漿クレアチニンの低下作用、糸球体細胞数増加の抑制作用などの抗腎炎作用が観察された。本研究では、オレアノール酸系化合物の中から精製されたGinsenoside Roを中心に抗腎炎作用を担う標的分子を同定し、抗腎炎作用の分子機構を明らかとすることを目的とする。 (本年度の研究実施結果) (1)抗Thy1腎炎ラットに、Ginsenoside Ro(30mg/Kg)1日1回腹腔内投与で7日間行い、尿中蛋白排泄低下作用を検討した。尿中蛋白排泄量はGinsenoside Roの投与により減少した。Ginsenoside Roが抗腎炎作用を示すことを確認した。 (2)BIAcoreを用いて結合する分子を探索する。オレアノール酸骨格に糖鎖のついたGinsenoside Roの糖鎖を過ヨウ素酸でアルデヒド化し、アルデヒドカプリングを行いセンサーチップのカルボキシル基に固定化する。この固定化リガンドと腎炎組織抽出画分、肝組織抽出画分、各画分の核抽出液の特異的相互作用をBIAcoreにて検出したところ、各画分にセンサーチップと結合する物質を認めた。検出後センサーチップ表面に残された反応物を回収した。
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