2002 Fiscal Year Annual Research Report
集団分子診断を目指した蛍光相関遺伝子検出システムの開発
Project/Area Number |
12557235
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
金城 政孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70177971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 邦夫 Novus Gene 株式会社, 研究開発部, 課長(研究職)
野村 保友 山形大学, 工学部, 助教授 (80237883)
西村 吾朗 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30218193)
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Keywords | FA-PCR / PCR / 蛍光測定 / 蛍光相関分光法 / 遺伝子発現 / 単一分子検出 / SNP / RFLP |
Research Abstract |
特定遺伝子やその遺伝子の発現の検出には、様々な手法の中でもPCR (Polymerase Chain Reaction)やRT-PCR法がよく知られている。申請者等は極微小領域を出入りする蛍光分子の動きに由来する蛍光揺らぎを測定する蛍光相関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy, FCS)を利用することで、その簡便な検出法の開発を行った。FCSはサブフェムトリットル(10-15L)オーダーの極微小な溶液の中を観察する事でブラウン運動に由来する1分子レベルの蛍光強度の揺らぎを検出し、分子の数や運動を測定する方法である。一本鎖短鎖DNA(プライマー)から二本鎖長鎖DNA(ターゲットDNA)へ長さが長くなる(分子量の増加)と同時にランダムコイル構造から剛直な円柱構造へ変化し、そのため並進拡散定数(ブラウン運動の速さ)が大きく変化する。その速度変化を蛍光相関分光法を用いて簡便に、しかも単一分子レベルの高感度で測定することで標的遺伝子の増幅過程を反応溶液中にて定量することを目的とした。 そのためにこれまでPCRを行う時に、2種類用意するPCRの反応プライマーのうち蛍光標識標識プライマーの量を極端に少なくすることで、FCSに最適なPCR法の確立を行った(FA-PCR法)。 これまでに、装置の試作をおこない、既設のFCS装置の試料台の電動化を行い、96ウェルならびに384ウェルのコントロールが可能な事を示した装置の改良に重点を置いた。さらに、今年度はこれまで顕微鏡ベースの装置を利用してきたが、半導体レーザーと、顕微鏡レンズを利用することで非常にコンパクトな装置の試作を行い、実証した。 今後の課題としては、2色の蛍光色素を用いることでどの程度まで感度を上昇させることが可能か明らかにする必要がある
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[Publications] Nobuhide Doi, Hideaki Takashima, Masataka Kinjo, Kyoko Sakata, Yuko Kawahashi, Yuko Oishi, Rieko Oyama, Etsuko Miyamoto-Sato, Tatsuya Sawasaki, Yaeta Endo, Hiroshi Yanagawa: "Novel Fluorescence Labeling and High-Throughput Assay Technologies for In Vitro Analysis of Protein Interactions"Genome Res.. 12. 487-492 (2002)
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[Publications] Muto, T., Saito, K., Tamura, M, Kinjo, M.: "Microenvironment analysis in squid axons using fluorescence correlation spectroscopy and laser scanning microscopy"Acta Histochem Cytochem. 35. 87-91 (2002)
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[Publications] 金城政孝: "「細胞内生体高分子相互作用の解析をめざす蛍光相関分光法」 バイオイメージングでここまで理解る 楠見明弘 編"羊土社. 126-131 (2003)
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[Publications] 斉藤健太, 金城政孝: "「タンパク質相互作用のリアルタイム解析蛍光相関顕微鏡」 プロテオミクスの最前線、礒辺 俊明 編"羊土社. 61-69 (2003)