2001 Fiscal Year Annual Research Report
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12557241
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Research Institution | College of Nursing Art and Science, Hyogo |
Principal Investigator |
片田 範子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (80152677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
来生 奈巳子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (30316054)
松林 知美 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (40305701)
勝田 仁美 兵庫県立看護大学, 看護学部, 講師 (00254475)
笹木 忍 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (90326306)
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Keywords | 癌性疼痛 / アセスメントツール / 子どもの痛み / 緩和ケア / ペインスケール / 薬物療法 / 非薬物療法 |
Research Abstract |
前年度に作成した『痛みアセスメントツール』(以下ツールとする。)は、癌の子どもの痛みのアセスメントと緩和ケアに必要な知識をまとめた『子どもの痛みの基礎知識』と、この基礎的知識を踏襲しながら実践することを目指した記録用シート(『痛みの履歴書』『定期アセスメントシート』『痛みフローシート』からなる)、さらにこれらをどのように活用していくかを示した『痛みアセスメントツール使用マニュアル』を含んでいる。このツールを用いて4施設の研究協力者に4月から10月の7ヶ月間痛みアセスメントとケアを実践していただいた。その間各々の施設に研究者が2回〜6回の訪問し、ツールを用いて実践する上での問題点および成果についてコンサルテーションを兼ねた懇談会を実施した。さらに11月にワークショップを開催し4施設14名の研究協力者が参加し、ツール導入後の痛みアセスメントおよび緩和ケアの実践上の変化について発表や意見交換を行った。そして、懇談会およびワークショップでの研究協力者の発言や、協力施設の看護師がアセスメントおよびケアを行いながら記載したツールの記録内容から、ツールの導入により看護師が子どもの痛みをどのようにとらえたのか、それに対しどのようなケアが行われたのかを分析した。その結果、痛覚閾値の概念、薬物療法、非薬物療法、ペインスケールの使用方法等、知識によるケアの変化を実感している反面、知識を持っているだけでは実践に直接結びけられるとは限らない実態が明らかとなった。また記入シートは、知識を活用したアセスメントの視点を持てたり、子ども・家族と話をする機会になるなどの変化および成果が見られた。しかし、医師との関係やスタッフ全体の共通認識などには課題が残った。また研究協力者は話をする中で自ら気づいていけたという現象があり、懇談会が大きな役割を果たしていたため、実践における研究者の介入の必要性が示唆された。
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