2001 Fiscal Year Annual Research Report
固体増殖材からのトリチウム放出挙動解析コードの構築とその実証
Project/Area Number |
12558050
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西川 正史 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (90026229)
|
Keywords | 固体増殖材 / リチウム化合物 / トリチウム / アウトパイル放出実験 / 見掛け拡散速度 / 吸脱着 / 同位体交換反応1 / 同位体交換反応2 |
Research Abstract |
申請者は化学工学的移動現象論の観点かる固体増殖材からのトリチウムの放出挙野を考え、1、増殖材グレイン内における核反応 2、グレイン内から表面に向けての拡散 3、拡散過程における照射欠陥との相互作用 4、表面におけるOH基としての吸着 5、グレイン内へのトリチウムの吸収 6、グレイン表面におけるパージガス中の水素との同位体交換反応1 7、グレイン表面におけるパージガス中の水蒸気との同位体交換反応2 8、高温雰囲気で水素を加えた際におこるセラミック材料からの水発生 がトリチウムの挙動に大きな影響を与えると考えている。 これまではトリチウムインベントリーの測定値と申請者達が開発したインベントリー計算コードによる推定値との比較を行い良好な一致を見てきた。 今年度は京都大学原子炉実験所および日本原子力研究所実験炉を用いてリチウムシリケートおよびリチウムチタネートについて中性子照射を行い、いろいろなパージガス条件でトリチウム放出曲線を求めた。拡散、二つの同位体交換反応、吸脱着反応、水発生反応が放出挙動に大きな影響を与えることが実験的に確認できた。また、これまでは水素パージ下で得られた放出曲線をもとにグレイン内のトリチウムの拡散係数が求められてきたが、その方法は必ずしも正しくはないとの結論を得た。 これからは放出曲線を解析してグレイン内におけるトリチウム移行挙動の動的特性値を求めようとしている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] T.Kawagoe, M.Nishikawa, A.Baba, S.Beloglazov: "Surface inventory of tritium on Li2TiO3"Journal of Nuclear Materials. Vol.297. 27-34 (2001)
-
[Publications] M.Nishikawa, N.Nakashima, K.Hashimoto, S.Beloglazov: "Isotope Exchange Capacity on Li4SiO4 and Comparison of Tritium Inventory in Various Solid Breeder Blamkets"Journal of Nuclear Science and Technology. Vol.38, No.11. 944-951 (2001)