2001 Fiscal Year Annual Research Report
連続気相プロセスによる直接メタノール型薄膜固体高分子燃料電池の開発
Project/Area Number |
12558052
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内本 喜晴 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50193909)
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Keywords | 燃料電池 / 固体電解質 / イオン交換膜 / プラズマ重合 / 薄膜 |
Research Abstract |
固体高分子電解質型燃料電池は、高出力密度が得られるため、電気自動車用電源として、活発に研究開発が進められている。さらなる高性能化のためには、電極の過電圧、特に活性化過電圧の大きいカソードでの酸素過電圧を低減する必要がある。そのためには、反応領域を増すために、電極の反応領域の三次元化をする必要および、電極/電解質界面での酸素濃度を高めることにより交換電流密度を増加させる必要がある。これは、触媒電極を酸素の溶解度の高い疎水性のフッ素系高分子超薄膜でつきまわりよく被覆し、更にその上にイオン導電性薄膜層を被覆することによってイオン導電パスを形成し、電極反応が進行しうる界面、すなわち有効電極面積を増大させることができる。本年度は、非平衡プラズマを用いた分子設計された傾斜機能性有機薄膜材料の作製法を確立することを目的とした。フッ素系イオン交換膜合成の出発物質には、ヘキサフルオロプロピレンとトリフルオロメタンスルホン酸を用いた。プラズマ重合に用いた装置中の電極は、容量結合型の平行平板内部電極で、電極間に13.56MHzの高周波RF電力を印加することによりプラズマを誘起した。プラズマ重合膜の特性に与えるプラズマパラメータの影響を記述するパラメータとしてW/FMというパラメータが提案されている。ここでWは印加電力、Fは出発物質の流量、Mは出発物質の分子量である。すなはち、W/FMは出発物質単位質量あたりに投入された印加電力を表している。ESCA、IR等の測定を行った結果、低印加電力条件下ではW/FMが小さく、スルホン酸基は分解されにくいのに対し、高印加電力条件下ではW/FMが大きく、スルホン酸基が分解されることが明らかとなった。
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