2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12558053
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Research Institution | YATUSHIRO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY (Y.N.C.T.) |
Principal Investigator |
縄田 豊 八代工業高等専門学校, 機械電気工学科, 教授 (30037890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古嶋 薫 八代工業高等専門学校, 機械電気工学科, 講師 (20209175)
宮本 弘之 八代工業高等専門学校, 機械電気工学科, 助教授 (90124156)
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Keywords | 太陽光発電システム / 太陽電池 / 冷却装置 / 高効率化 / クリーンエネルギー / 自然エネルギー / 代替エネルギー / 地球温暖化 |
Research Abstract |
太陽電池の出力は電池温度が上昇すると低下するため、電池がある一定温度以上になった場合、電池を冷却することで出力の増加が見込める。そこで、今後、普及が期待される一般家庭用の太陽光発電システムの効率化を目指して、既存の太陽電池に比較的簡単な冷却装置を低コストで設置すべく、屋根の面積や形状に柔軟に対応できるように太陽電池モジュール単位で設置が可能な冷却装置の開発を行った。 開発した冷却装置は、太陽電池モジュール裏面にアルミ製の冷却パネルを貼り付け、電池裏面と冷却パネルのすき間に冷却水を流して電池裏面から冷却する構造を持つ。その際、冷却水を押し込むのではなく、冷却装置排出口側を負圧にし、冷却水を吸い出す方式とした。水道圧で水を押し込むと冷却水は流れやすいところしか流れないが、冷却水を吸い出す方式の場合は、大気圧が冷却水に均等に加わるので、冷却水が電池裏面にまんべんなく行き渡り、冷却効果が高まる。また、冷却水は建物高低差によるサイホンの原理によって流す方法を採用しているため、水を流すための付加的な外部動力を必要としない。この冷却装置を取り付けた太陽光発電システムで長期計測運転を行い、太陽電池の冷却開始温度が発電量に与える影響や夏期において冷却開始温度の違いによる必要な冷却水量などの検討を行った。その結果、夏期は、太陽電池に冷却装置をつけることで電池冷却による発電量の増加も期待できるが、それ以上に電池冷却で得られた温水を風呂などで再利用すれば、これによって節約できるエネルギー量の方がはるかに大きいことがわかった。
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