2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12558054
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤野 威男 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (20229024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修彰 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (70154078)
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Keywords | 核燃料 / 二酸化ウラン / Mg固溶度 / 高燃焼度化 / セリウム / マグネシウム / 酸素ポテンシャル / 固溶体 |
Research Abstract |
軽水炉用MOX燃料の高燃焼度化に対応するために、PuのスタンドインとしてCeを用い、Mgを比較的高濃度に添加したMgO-CeO_2-UO_2固溶体の熱力学的性質や結晶構造について調べた。3種類の固溶体、すなわち(1)Mg 0at%,Ce 10at%;(2)Mg 5at%,Ce 10at%;(3)Mg 15at%,Ce 10at%についてUO_2,MgOおよびCeO_2を秤量後、メノウ乳鉢中で充分に摩砕・混合したのち、空気中、800℃に加熱してウラン酸塩(混合物)とした。さらにペレットに成型後、CO_2/H_2混合ガス気流中、加熱・焼結して固溶体を製した。その後、混合比を調節したガス気流中管状炉で4日間1000-1200℃の所定温度に加熱し、酸素ポテンシャル急変位置に相当するO/M比の固溶体とした。X線回折法により相関係、格子定数を求め、組成はセリウム逆滴定法で定量した。密度はトルエン置換法により測定した。 X線回折の結果から、調製した試料はMg-Ce-UO_2固溶体であることが分かった。Mg濃度が10あるいは10%の場合、酸素ポテンシャルが10^<-8>atmO_2付近において、ステップスキャニング測定の結果からMgOの最強線のピークが確認され、Mgの一部がMgOとして析出していることが分かった。格子定数のMg濃度依存性から、Mgの固溶度は5%付近にあることが分かった。次に、酸素ポテンシャル測定の結果からMgを添加しない場合、すなわち10at%Ce添加固溶体のΔGo_2はO/M比が2において急変した。さらにMgを添加すると、Mg量の増加とともに酸素ポテンシャルの急変位置は大幅に左にシフトした。また、その曲線はよりなだらかになり、Mgの添加とともに酸素ポテンシャルがO/M比の増加に対して緩やかに変化するようになることが分かる。1050℃と1200℃での酸素ポテンシャルの相違は大きくなかった。10^<-13>atmO_2の低酸素分圧下では、Mgの一部が格子間位置を占めて固溶している可能性があり、このことは密度測定の結果とも一致していた。
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