2000 Fiscal Year Annual Research Report
パルス超音波を用いた高精度過渡流量計測システムの開発
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12558055
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木倉 宏成 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (00302985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 治嗣 東京電力, 原子力研究所, 主任研究員
有富 正憲 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (60101002)
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Keywords | 流体力学 / 流量計測 / 乱流 / パルス超音波 / 強力超音波 / キャビテーション / 十分発達流 / 複測定線計測法 |
Research Abstract |
パルス超音波を利用した超音波流測分布流測計(UVP)を用いた高精度流量計測において、まず、測定体積が測定値のアンサンブル平均に及ぼす誤差を解析的に求め、その妥当性を垂直アクリル製円管を用いた十分発達乱流の計測実験によって検証した。その結果、以下の知見を得た。 (1)UVPにおける測定体積の誤差は、解析的に求めることができる。また、実験的に誤差の見積もりが妥当であることを確認した。 (2)Re=5300、管内径D=50mmのとき、流量誤差は2%以下であった。 (3)150mm以上の大口径配管にUVPを用いた流量計を適用した場合、誤差は1%以下である。 また、先に米国NISTの標準キャリブレーション流量計測用水ループを使用し、絶対的な流量比較検討を行った実験において、その測定誤差が0.18%であったが、さらなる精度の向上を目指し、流量算出のためのデータ処理方法についての検討を行った。流量算出のためのデータ処理方法は瞬時の流速分布に対し以下の三種類の方法を試みた。(1)瞬時流速分布におけるデータの落ちを検出し、それを隣接する測定点の流速データを使用して空間的に処理する方法。データの落ちの検出は速度勾配が閾値をこえるものとし、この値をパラメータとして計算した。処理方法は落ちと判定されたデータの両隣の流速データの平均値とした。(2)移動平均法により時間的に処理する方法。パラメータとして平均点数を2-10点として計算した。(3)瞬時流速分布が1/7乗則に順じているものとし最小自乗近似を行い、それを流速分布とする方法。評価はNISTキャリブレーションシステムと同時計測されたデータを使用して行った。その結果、本UVP法による流量測定に対して、移動平均によるデータ処理方法を適用することにより、より高精度の測定が可能であることがわかった。 その他、UVP反射体として利用するための強力超音波を用いたキャビテーション発生装置を開発し、UVP計測への有効性を確認した。 これらより、次年度以降の研究である、複測定線計測法を用いた未発達流乱流および過渡乱流の高精度流量計測への基盤を構築した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takeda,Y.,Furuichi,N.,Mori,M.,Aritomi,M.,and Kikura,H.: "Development of a new flow metering system using UVP-Preliminary performance assessment using NIST flow standards-"Proc.FEDSM2000,ASME 2000 Fluid Engineering Division Summer Meeting. Paper No.111012. 1-6 (2000)
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[Publications] Kikura,H.,Aritomi,M.,Takeda,Y.and Mori,M.: "Development of Flow Rate Measurements using Ultrasonic Doppler Method"Proc.2nd Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety. 253-257 (2000)