2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNAアレイを用いた遺伝子損傷のゲノムマッピング法の開発
Project/Area Number |
12558060
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井出 博 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30223126)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 喜平 大阪府立大学, 農学部, 教授 (40117619)
寺東 宏明 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00243543)
大山 義彦 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30169081)
佐々本 一美 (株)同仁科学, 研究所, 研究本部長
|
Keywords | DNA損傷 / 定量 / ARP法 / 脱塩基部位 / 発癌物質 / ゲノム / DNA修復酵素 |
Research Abstract |
本研究では,DNAアレイを用いた塩基損傷検出のための条件検討の一環として,塩基除去修復酵素とARP(Aldehyde Reactive Probe)アッセイを組み合わせることにより,酸化塩基損傷の定量法を確立した。 DNA中の酸化塩基損傷をARPアッセイで定量するためには,塩基除去修復酵素処理により損傷部位を定量的に脱塩基部位に変換する必要がある。Fenton反応により酸化損傷を含むDNAを調製し,必要な酵素量を調べた。その結果,10^4ヌクレオチド(NT)あたりそれぞれ2.5個のピリミジン損傷及びプリン損傷を含むDNA(10μg)では,Endo III(ピリミジン損傷を認識),hOGG1(プリン損傷を認識)共に,1μgの、酵素と37℃で1時間インキュベートすることにより,損傷塩基を完全に脱塩基部位に変換できることが分かった。 HeLa細胞及び子牛胸腺における脱塩基部位と酸化塩基損傷の定量を行った。HeLa細胞及び子牛胸腺いずれの場合も,脱塩基部位は検出限界程度であったが(1個/10^6NT),酸化ピリミジン損傷は6個/10^6NT,酸化プリン損傷は2個/10^6NT存在していた。次に,過酸化水素処理により生成する損傷塩基の量を調べた。子牛胸腺DNAを過酸化水素で処理した場合,過酸化水素濃度の増加に伴い脱塩基部位と酸化塩基損傷の量が増加した。ピリミジン損傷とプリン損傷の生成量は同程度であったが,脱塩基部位の生成量はこれに比べ1/7程度であった。HeLa細胞を過酸化水素処理し,DNAを抽出して同様な検討を行った。DNA単独で過酸化水素処理した場合に比べ,損傷の生成量は減少したが,損傷の量比は子牛胸腺DNAの場合と似ていた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Kurisu, S.: "Quantitation of DNA damage by an aldehyde reactive probe (ARP)"Nucleic Acids Research. S1. 45-46 (2001)
-
[Publications] Kurisu, S.: "Detection of oxidative base lesions by aldehyde reactive probe (ARP)"Mutation Research. 483(S1). S94 (2001)
-
[Publications] Shimoi, K.: "Oxidative DNA damage induced by high glucose and its suppression in human umbilical vein endothelial cells"Mutation Research. 480-481. 371-381 (2001)
-
[Publications] Asagoshi, K.: "Influences of a guanine-derived formamidopyrimidine lesion on DNA replication. Translesion DNA synthesis, nucleotide insertion and extension kinetics"journal of Biological Chemistry. (印刷中).