2002 Fiscal Year Annual Research Report
DNAアレイを用いた遺伝子損傷のゲノムマッピング法の開発
Project/Area Number |
12558060
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井出 博 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30223126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 喜平 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40117619)
寺東 宏明 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00243543)
大山 義彦 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30169081)
佐々本 一美 (株)同仁化学, 研究所, 技術本部長(研究職)
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Keywords | DNA損傷 / 定量 / ARP法 / 脱塩基部位 / DNAアレイ / 遺伝子 / DNA修復酵素 |
Research Abstract |
ARP法とDNAアレイを組み合わせた塩基損傷検出のための条件検討を行った。 まず,ハイブリダイゼーション条件として,2種の条件を検討した(条件I:250mMリン酸(pH7.2),lmMEDTA,7%SDS,65℃;条件II:5xSSPE,50%formamide,5x Denhalt's solution,0.5%SDS,42℃)。10^4ヌクレオチドあたり1個の脱塩基部位を含むDNAを調製し,脱塩基部位をARPで標識した。このDNAを条件IまたはIIで12時間インキュベート後,ナイロン膜にブロットし化学発光を検出した。条件Iを用いた場合,化学発光量は未処理DNAの20%に減少したが,条件IIでは化学発光量の減少は起こらなかった。この結果は,DNAに導入したARP標識が条件Iでは不安定であるが,条件IIでは安定に保持されることを示している。したがって,DNAアレイに対するハイブリダイゼーションには,条件IIが適当であることが明らかとなった。 FASL, c-myc, XPB遺伝子(約1kb)をPCR法により増幅し,アガロース電気泳動で精製した。アレイを作製するために,DNAを熱変性後,ナイロン膜にドットブロットし固定化した。10^4ヌクレオチドあたり1個の脱塩基部位を含むc-mycDNAを調製し,脱塩基部位をARPで標識することにより,プローブDNAを作製した。条件IIを用いてプローブをDNAアレイにハイブリダイゼーションし,化学発光を検出した。DNAアレイのc-myc遺伝子に対しては強い化学発光が認められたが,FASLおよびXPB遺伝子では認められなかった。この結果は,ARP法とDNAアレイを組み合わせることにより,遺伝子特異的な脱塩基部位の検出が可能であることを示している。これまでに,損傷特異的なDNAグリコシラーゼ処理により特定の塩基損傷を脱塩基部位に変換しARP法で検出できること示している。したがって,目的に応じたDNAグリコシラーゼ処理を併用することにより,遺伝子特異的な塩基損傷検出が可能である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nakano, T.: "Detection of NO-induced DNA lesions by the modified aldehyde reactive probe (ARP) assay"Nucleic Acids Research. S2. 239-240 (2002)
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[Publications] Asagoshi, K.: "Effects of a guanine-derived formamidopyrimidine lesion on DNA replication. Translesion DNA synthesis, nucleotide insertion and extension kinetics"Journal of Biological Chemistry. 277. 14589-14597 (2002)
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[Publications] Ide, H.: "Detection of DNA damage by the aldehyde reactive probe (ARP) assay : principles and its application"Recent Research Developments in Nucleosides & Nucleotides. (印刷中).
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[Publications] Masaoka, A.: "Mammalian 5-formyluracil-DNA glycosylase. Part 2 Role of SMUG1 uracil-DNA glycosylase in repair of 5-formyluracil and other oxidized and deaminated base lesions"Biochemistrry. (印刷中).