2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復遺伝子欠損マウスを用いた変異原性の検出・評価系の開発
Project/Area Number |
12558063
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
續 輝久 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40155429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真木 寿治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (20199649)
吉村 康秀 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60263307)
藏 忍 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90037391)
愿山 郁 九州大学, 大学院・医学研究院, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | 酸化的DNA損傷 / 8-オキソグアニン / DNA修復欠損 / 遺伝子操作マウス / 突然変異 / 自然発がん / 変異スペクトラム / 放射線誘発突然変異 |
Research Abstract |
(1)近交系C57BL/6Jの遺伝的背景を有するMTH1遺伝子欠損マウスに、突然変異検出マーカーである大腸菌由来のrpsL遺伝子を交配により導入し、生後4週令、24週令時点でのマウス個体から各種臓器を取り出し、脾臓における突然変異について解析した。 (2)その結果、MTH1蛋白質と同じく8-oxo-dGTPase活性を有する大腸菌MutT蛋白質の欠損株では、典型的なミューテーター表現型が観察されているのと比べて、突然変異の明らかな上昇は認められなかった。このことは、マウスにおいてMTH1の欠損をバックアップする系が存在する可能性を示唆するものと考えられる。 (3)突然変異のスペクトラム解析から、MTH1遺伝子欠損マウスにおいてのみ、検出マーカーであるrpsL遺伝子カセット内に存在するアデニン塩基が繰り返した部分[(A)_5,(A)_6]における1塩基の欠失を観察した。 (4)近交系C57BL/6Jの遺伝的背景を有するMTH1遺伝子欠損マウスにおける自然発がん(SPF飼育条件下での1年半後)を観察しており、マクロ所見での腫瘍の発生頻度について、野生型マウスに比べて2〜3倍の上昇を認めている。 (5)MTH1遺伝子欠損マウス(C57BL/6J系)を用いて、X線照射による誘発突然変異について解析を進めている。 (6)MYH遺伝子欠損マウスのC57BL/6Jへの戻し交配が完了し、突然変異解析の準備を進めている。 (7)MYH遺伝子欠損マウスにおける自然発がんの解析を進めている。 (8)MSH2遺伝子欠損マウスでのフレームシフト型以外の突然変異を検出するための改変型rpsL遺伝子カセット・ベクターを構築した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hayashi, H. et al.: "Replication-associated repair of adenine :8-oxoguanine mispairs by MYH"Curr. Biol.. (in press). (2002)
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[Publications] Sakai, Y. et al.: "A molecular basis for the selective recognition of 2-hydroxy-dATP and 8-oxo-dGTP by human MTH1"J. Biol. Chem.. (in press). (2002)
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[Publications] Tsuzuki, T. et at.: "Spontaneous tumorigenesis in mice defective in mice defective in the MTH1 gene encoding 8-oxo-dGTPase"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 98. 11456-11461 (2001)
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[Publications] Tsuzuki, T. et al.: "Analysis of MTH1 gene function in mice with targeted mutagenesis"Mutat. Res.. 477. 71-78 (2001)
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[Publications] Jaiswal, M. et al.: "Human Ogg1, a protein involved in the repair of 8-oxoguanine, is inhibited by nitric oxide"Cancer Res.. 61. 6388-6393 (2001)
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[Publications] Yoshiyama, K. et al.: "Directionality of DNA replication fork movement strongly affects the generation of spontaneous mutations in Escherichia coil"J. Mol. Biol. 307. 1195-1206 (2001)
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[Publications] Nakabeppu, Y.: "Prog. Nucleic Acid. Res. Mol. Biol. Vol. 65"Regulation of intracellular localization of human MTH1, OGG1, and MYH proteins for repair of oxidative DNA damage. 75-94 (2001)