2000 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ内微小液滴吹き込み方による過酸化水素の合成
Project/Area Number |
12558066
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
原野 安土 群馬大学, 工学部, 講師 (90238204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 智久 (株)タクマ, 中央研究所, 研究員
渡辺 智秀 群馬大学, 工学部, 助手 (60251120)
佐藤 正之 群馬大学, 工学部, 教授 (70008473)
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Keywords | 過酸化水素 / プラズマ / 脱硫 / 微小液滴 / 吸収 / ヒドロキシルラジカル / 超音波振動子 / 脱硝 |
Research Abstract |
二酸化硫黄と当量の過酸化水素水を煙道に吹き込むだけで80%以上の脱硫率を得られ、従来の湿式脱硫法よりも1/10〜1/100の使用水量で高脱硫率を達成することができた。しかし、酸化剤である過酸化水素水は環境浄化に使用するには高価であり、過酸化水素の安価合成が課題として残った。 本年度は放電による過酸化水素水の安価合成を主眼として実験を行ってきた。液滴の生成は超音波振動子を用い平均粒径15μmの液滴を放電プラズマ内に導入した。この方法により得られた過酸化水素水の濃度は最高で170ppm(at8W)であった。脱硫実験ではパーセントオーダーの過酸化水素水が必要なことから本方法では十分な過酸化水素水は得られないことがわかった。これは、放電場がワイヤー近傍に集中しているため、殆どの液滴がプラズマを経由しないで放電反応器から出てしまうことが高濃度過酸化水素を合成できない原因を考えた。そこで、放電形態として無声放電を採用し、プラズマ場を電極間すべてに生成させ微小液滴を導入する試みを行った。液滴はすべてプラズマ部を通過することとなり、過酸化水素濃度は最高値で700ppm(at10W)を得ることができた。しかしながらパーセントオーダーの過酸化水素水は得ることができなかった。 気相側のOHラジカルを増加させるため二酸化窒素を添加し、水素原子と二酸化窒素の反応からOHラジカルの生成を試みた。さらに脱硫を行うために二酸化硫黄も同時に添加を行った。その結果として過酸化水素の生成量は増加しなかったが、脱硫率が急激に上昇することを発見した。これは二酸化窒素が液滴内で二酸化硫黄を酸化し、反応吸収により気相中の二酸化硫黄をさらに吸収したことを意味しており、安価な活性化学種として二酸化窒素が有効であることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Noda,A.Harano,M.Hashimoto and M.Sadakata: "Development of Selective Noncatalytic Reduction by Ammonia in the Presence of Phenol"Combustion and Flame. Vol.122,No.4. 439-450 (2000)
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[Publications] 原野安土,定方正毅(分担): "あなたの実用燃焼炉設計および制御"テクノシステム. 30 (2001)