2000 Fiscal Year Annual Research Report
アドミセル・気泡複合フローテーションシステムによる排水中環境汚染物質の迅速除去
Project/Area Number |
12558071
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平出 正孝 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20111833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 重人 名古屋市, 工業研究所, 研究員
齋藤 徹 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40186945)
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Keywords | アドミセル / アルミナ / ドデシル硫酸ナトリウム / クロロフェノール / 疎水性 / 捕集 |
Research Abstract |
本研究は排水中の有害有機化合物の効率的な除去・捕集のためのアドミセル捕集法及びアドミセルの迅速回収のためのフローテーション法を確立することを目的とする。本年度は有機化合物捕集のための界面活性剤/アルミナ複合媒体を調製し、有機化合物捕集への適用性を検討した。その結果、水中にアルミナが存在する系に界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を加えると疎水性化合物や正負電荷を有する水溶性色素など様々な物質を効率よく捕捉できる媒体(アドミセル)が形成されていることが明らかになった。このアドミセルを環境汚染物質であるクロロフェノール類の捕集に適用したところ、ppbレベルのクロロフェノールを効率的に捕集することができた。クロロフェノールの捕集率はSDSの添加量とともに増大し、アドミセル疎水環境の生成がその捕集に関与していると考えられる。また、クロロ置換の多いものほどアドミセルヘの捕集率も増大したことから化合物の疎水性が重要な要因であることがわかった。一方、懸濁溶液を振り混ぜるとアドミセル形成とともにアルミナ粒子が気泡とともに溶液面に捉えられる浮選が見られたことからアドミセルフローテーション法の実現可能性が見出された。しかし、SDS量が多すぎるとクロロフェノールの捕集率及びアドミセルの浮選効率とも低下した。これはアルミナ粒子に吸着しきれなかったSDSによるミセル形成によるものと説明される。以上のように、本年度の研究によってアドミセルフローテーション法の設計のためのおおよその指針を得ることができた。水中有機化合物の効率的捕集・除去のための装置設計条件を得ること及び様々な物質への本法の適用が今後の課題である。
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[Publications] 平出正孝: "微量成分分析における分離濃縮"ケミカルエンジニヤリング. 3. 179-185 (2000)
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[Publications] H.Hayashi,T.Tanaka M.Hiraide: "Electrochemical Vaporization on a Tungsten Filament for the Determination of Arsenic in Chloride solutions"Analytical Sciences. 17(1). 171-173 (2001)
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[Publications] T.Saitoh,T.Matsudo,C.Matsubara: "Micelle-Mediated Extraction for Concentrating Hydrophobic Organic Compounds"Journal of Chromatography A. 879(2). 121-128 (2000)
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[Publications] 齋藤徹,浜園陽子,櫻井照明,松原チヨ: "温度感応性高分子の凝集現象を用いるポリリポ多糖の捕集"分析化学. 49(8). 631-633 (2000)
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[Publications] T.Saitoh,Y.Yoshida,C.Matsubara: "Concentration of Nonylphenol and Its Polyethoxylated Derivatives by Polymer-Mediated Extraction"Journal of Chromatography A. 891(1). 75-80 (2000)