2000 Fiscal Year Annual Research Report
水産業廃棄物による環境中リン,フッ素の高度除去・資源循環システムの構築
Project/Area Number |
12558073
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
岩井 正雄 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 教授 (80042828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 主税 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (00243048)
袋布 昌幹 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助手 (50270244)
丁子 哲治 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 教授 (80092790)
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Keywords | りん / フッ素 / アパタイト / 水産業廃棄物 / りん酸カルシウム / 資源化 |
Research Abstract |
【研究目的】 本研究はフッ素やりんを含んだ地下水や河川水などの生活用水の浄化を最終目的とし,水浄化に用いる機能性材料を貝殻や骨などの水産業廃棄物を原料に開発し,その利用法について明らかにするものである。 本年度は環境中におけるりんおよび水産業廃棄物に関する問題の調査,水産業廃棄物を用いた機能性材料の試作を行った。 【成果の概要】 1)環境中のりん問題:我が国においてりん資源は大部分を輸入に頼っている。またその資源は枯渇の危険性が指摘されており,現在確認されているりん資源の埋蔵基礎量(回収コスト$100/トン以下)が2066年頃には消費つくされるという予測があるほどである。りんはフッ素アパタイト(Ca_<10>(PO_4)_6F_2)を主成分とするリン鉱石を硫酸で分解することにより生産されるので,環境中りんをフッ素アパタイトあるいはその類似組成の化合物として固定できれば,りんの資源化も可能となるものと結論づけた。 2)水産業廃棄物の問題:りんをアパタイトとして資源化するためには,りんの他にカルシウム源が必要である。本研究ではカルシウム源に貝殻などの水産業廃棄物を用いることとした。水産業において,貝殻は大量に発生する未利用資源であり,かきに関する一昨年の統計によると,全生産量20万トンのうち,食用のむき身として出荷されるのはわずかに3万トンであり,残りの17万トンはかき殻として廃棄されている。このかき殻の主成分は炭酸カルシウムであり,これを原料に,りんの資源化に用いる材料の合成を試みた。 水産業廃棄物を用いた機能性材料の試作:かき殻に豚骨を加えて加熱処理を施して合成したセラミックスをりん酸塩溶液中に添加して25℃で72時間反応させた結果,液中のりんをほぼ100%除去できることが明らかとなった。このセラミックスの主成分のリン酸四カルシウム(TTCP,Ca_4(PO_4)_2O)が溶液中のリン酸イオンと反応して,水酸アパタイト(Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_2)を形成したことによりリンを固定できたものと考えられる。水酸アパタイトはリン鉱石の主成分であるフッ素アパタイトと組成,構造とも類似しており,リン生産に転用できることから,この方法によりリンを資源化できると考えられる。
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[Publications] T.Chohji,M.Tabata,S.Yano and I.Aizawa: "Treatment of Wastewater Containing Phosphinic Acid from Electroless Plating Process"The proceedings of the Third Asian Symposium on Academic Activity for Waste Management. 483-489 (1999)
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[Publications] M.Inoue,M.Iwai,S.Kamado,Y.Kojima,T.Itoh and M.Sugama: "Recycling of Magnesium Alloy Di-Castings with Paint Finishing"Trans.Mat.Res.Soc.Jpn.. 24(3). 349-352 (1999)
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[Publications] T.Miyazaki,H.-M.Kim,T.Kokubo,H.Kato,T.Nakamura and C.Ohtsuki: "Bonelike Apatite Formation on Niobium Oxide Gel in a Simulated Body Fluid"Bioceramics. 13. 43-46 (2001)
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[Publications] 太田貴文,袋布昌幹,丁子哲治: "リン回収機能性材料のエコテクノロジー的合成技術の開発"エコテクノロジー研究. 6巻2号. 134-135 (2000)
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[Publications] 島田文,岩井正雄: "アルカリ溶液中における亜りん酸イオンの溶存酸素による酸化反応"エコテクノロジー研究. 6巻2号. 150-151 (2000)
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[Publications] 丁子哲治: "埋立処理場におけるフッ化物イオンの浸出挙動予測"富山工業高等専門学校紀要. 35. 5-12 (2001)