2000 Fiscal Year Annual Research Report
電子・情報関連部品用無電解メッキ廃液の資源回収型処理技術の実用化に関する研究
Project/Area Number |
12558074
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
村上 定瞭 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00035065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 弘 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (00249848)
竹内 正美 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30043889)
深川 勝之 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20043870)
松浦 裕 上村工業(株), 中央研究所・第一開発グループ, リーダー
三浦 勤 (株)クラレ, 新規事業開発本部・環境事業推進部, 課長代理
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Keywords | 無電解メッキ廃液 / 廃水処理 / エネルギー・資源回収 / ニッケル / リン / 有機物 |
Research Abstract |
1.研究目的 本研究はコンピューター用ハードディスク製造における無電解メッキ工程廃液から(1)貴重な資源であるニッケル、リン、有機物、アンモニアを回収する資源回収型処理技術を確立するとともに、(2)この技術の実用化に必要な処理プラントの設計を行うことを目的とする。 2.研究成果 (1)リン化合物の電解酸化及びニッケル電析回収プロセスの開発 二酸化鉛被膜チタンを陽極およびチタンを陰極とする電解工程によりニッケル(II)は完全に電析回収された。廃液中の次亜リン酸および亜リン酸は完全にオルトリン酸に酸化された。消費電力は580kWh/m3-廃液であった。 (2)リン・アンモニアの回収プロセスの開発 MAP(NH4MgPO4・6H2O)工程により100%リンおよび90%のアンモニアが回収された。結晶性沈殿MAPは肥料としての有効利用が可能である。廃水1m3に対しMg(OH)2の最適添加量は160kgで、MAP650kgが回収された。 (3)有機物・アンモニアの生物除去プロセスの開発 活性汚泥法を用いた生物工程終了の段階でBODおよびアンモニアはそれぞれ99.8%および99%削減された。 3.今後の課題 (1)二酸化鉛被膜チタン陽極から鉛の溶出が起こった。鉛溶出を防止する最適操作pHの検討すること、(2)生物工程として活性汚泥法による硝化・脱窒反応の最適設計を行うこと、また、生物工程としてUASB法等による嫌気法を用いたメタン回収工程の導入、(3)本研究の実用化に向けて、1m3/日の処理能力を持つ実証実験を行うこと。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 村上定瞭,竹内正美: "電解・生物法による半導体用フォトレジスト原料製造廃液の処理"環境技術. 29・3. 207-214 (2000)
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[Publications] 加納志保,竹内正美,村上定瞭: "ハイテク分野における難分解性工業排水"第7回シンポジウム「環境用水の汚濁とその浄化」論文集. 7. 58-61 (2000)
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[Publications] 井町充孝,竹内正美,村上定瞭: "超音波を用いた余剰汚泥消滅型生物法の開発"第7回シンポジウム「環境用水の汚濁とその浄化」論文集. 7. 62-65 (2000)
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[Publications] 奥田友章,石川宗孝,村上定瞭: "水熱反応による汚泥の可溶化処理"第7回シンポジウム「環境用水の汚濁とその浄化」論文集. 7. 72-75 (2000)
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[Publications] M.Nishimura: "Inhibitory Effects of Carbohydrates on Esterase Biosynthesis in Streptomyces lavendulae H646-SY2"Journal of Bioscience and Bioengineering. 90. 564-566 (2000)
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[Publications] 村上定瞭,竹内正美,西村基弘: "水耕栽培を併用したゼロエミッション型水産養殖モデルに関する実験的研究"環境科学会誌. 14(印刷中). (2001)
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[Publications] 村上定瞭: "新しい水処理技術シリーズ(3)汚泥減量化と発生防止技術"エヌ・ティー・エス. 312 (2000)