2000 Fiscal Year Annual Research Report
臨床的に用いられている植物性抗腫瘍性物質の生合成・生産の分子遺伝学的代謝工学-タキソールおよびカンプトテシンの遺伝子細胞工学的な生合成・生産制御-
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12558075
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 和季 千葉大学, 薬学部, 教授 (00146705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 庸介 三井化学ライフサイエンス研究所, 主任研究員
相見 則郎 千葉大学, 薬学部, 教授 (30009170)
山崎 真巳 千葉大学, 薬学部, 助教授 (70222370)
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Keywords | アルカロイド / カンプトテシン / 抗腫瘍性 / 毛状根 |
Research Abstract |
チャボイナモリ(Ophiorrhiza pumila)は、琉球列島特産のアカネ科多年性草本植物で、その全草に抗腫瘍性アルカロイドであるカンプトテシン(CPT)を含有している。我々は、これまでにチャボイナモリを材料としてその無菌植物から毛状根を誘導し、液体培地で培養した毛状根がCPTを生産、培地中に放出していることをしていることを確認した。今回、大量培養条件を確立するために、3L容のジャーファーメンターを用いて毛状根の培養を行った。また、CPTの放出を促進させるために、添加するエリシター等の種類と濃度、添加後の処理日数について検討した。 (1)ジャーファーメンターによる大量培養:ジャーファーメンターの底部には毛状根保持用のステンレスメッシュを取り付けた。培養槽に、2.5LのB5液体培地(2%Sucrose)を入れ、これに100ml三角フラスコで液体振とう培養した毛状根約10gF.W.を植え付けた。通気量2.5L/min.、培地温度28℃で培養し、培地の撹拌は培養槽底部の6枚羽撹拌器(60rpm)で行った。(2)CPT放出促進条件の検討:培養開始3週目の培地に、メチルジャスモン酸(MJA)、サリチル酸(SA)、イーストエキス(YE)を添加し、CPT放出量のタイムコースを測定した。培養は50ml培地/100ml三角フラスコによる液体振とう培養とした。 ジャーファーメンター培養では、7週間培養で192gF.W.、8週間培養で240gF.W.の毛状根が得られ、100ml三角フラスコでの培養とほぼ同等の増殖倍率を示した。スケールアップに伴う増殖倍率の低下は見られなかった。CPT放出促進条件の検討では、MJA500μMまたはYE500μg/mlの添加後6時間目より放出促進がみられ、24〜48時間後に最大となった。一方、SA(100μM)では、添加後1週間目で放出促進がみられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kazuki Saito,Hiroshi Sudo,Mam Yamazaki,Mio Koseki,Mariko Kitajima,HiromitsuTakayama and Norio Aimi: "Feasible production of camptothecin by hairy root culture of Ophiorriza pumila"Plant Cell Reports. (印刷中). (2001)