2002 Fiscal Year Annual Research Report
ガン組織のみを加温するRF誘導加温法によるターゲティング温熱療法
Project/Area Number |
12558106
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
新海 政重 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70262889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 憲康 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (20254279)
山本 五郎 山本ビニター(株), 高周波研究所, 所長(研究職)
小林 猛 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10043324)
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Keywords | 温熱療法 / 癌治療 / 磁性微粒子 / RF誘電加温法 / 誘導加温法 / 前立腺ガン |
Research Abstract |
(1)特異的加温装置の改良 RF加温装置は加温物質が無い場合に最適化されている。このため、加温物質がある場合に最適化する必要がある。そこで、生体模擬材料を使って、電極の直径・電極出力の方法等について検討を行った。RF誘電加温における特異的加温物質として、マグネタイトの他、前年度の成果から酸化ニッケル(II)二鉄(III)、酸化マグネシウムニ鉄(III)、酸化二鉄(III)銅(II)、酸化マンガン(II)二鉄(III)などを用いて調査した。その結果、電極直径などの加温条件は加温物質がない時と同等で良いことがわかった。また、電極出力は安全性の観点から徐々に上げて行く方が良いと判断した。一方、微粒子の被加熱体に対する分布がもっとも発熱に影響することがわかった。 (2)生体適合性加温物質の調製 生体内への投与を考慮した生体適合性の付加と組織への集積を目的として検討をおこなったところ、カルボキシメチルセルロースをバインダーとして、加温物質を針状に成型することにより容易に目的組織に多量の加温物質を集積できることがわかった。 (3)特異的加温の効果の確認 特異的加温物質を用いたRF誘電加温法をラット担ガンモデルに対して適用した。ラット脳腫瘍細胞株を後脚皮下に移植してガン組織を形成した後、加温物質を注入した。ガン組織への集積を確認した後、既存の実験動物用小型RF誘電加温装置にて加温を行い、特異的加温の効果を確認したところ、加温物質を注入する前に比べ、有意に温度上昇があることが確認された。 続いて、発熱原理が誘導加温と同じであることが確かめられたため、小型誘導加温装置を用いた。方法はラット前立腺ガン細胞株を後脚皮下に移植してガン組織を形成した後、加温物質を注入する。ガン組織への集積を確認した後、実験動物用小型誘導加温装置にて加温を行った。その結果、特異的加温の効果を確認され、ガン組織に対する増殖抑制が確認された。また、ガンが完全に退縮する動物も観察された。 (4)加温物質の安全性 特異的加温物質のラットヘの投与に対し、急性毒性・中長期毒性は観察されなかった。
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[Publications] M.Shinkai, K.Ueda, S.Ohtsu, H.Honda, K.Kohri, J.Inoue, T.Kobayashi: "Characleristics of particulate heating mediator in RF capacitive heating"Japanese Journal of Hyperthermia Oncology. 18. 33-41 (2002)
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[Publications] M.Shinkai, K.Ueno, H.Honda, T.Kobayashi: "Magnetite needle as heating mediator for intracellular hyperthermia of tumor"Japanese Journal of Hyperthermia Oncology. 18. 191-198 (2002)