2000 Fiscal Year Annual Research Report
中国東北部におけるアルタイ語族の諸民族のシャーマニズムと社会に関する人類学研究
Project/Area Number |
12571020
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
ペトロ クネヒト 南山大学, 人文学部, 教授 (00121468)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 強 中部大学, 国際関係学部, 助教授 (90329673)
畑中 幸子 中部大学, 国際関係学部, 教授 (00019340)
|
Keywords | シャーマニズム / 中国東北部 / オロチョン / エウェンキ / 文化変更 |
Research Abstract |
本研究は、中国東北部のオロチョンやエウェンキ等の諸民族のおけるシャーマニズムの現実態を掴むのを目的とする。4年計画の第1年で、先ず予備調査を行った。長春市と海拉爾市の周辺、又は黒龍江省で現地の共同研究者と共に数人のシャーマンや情報提供者に会い、来年度より実施しようとする本格的調査の地域と対象者を選定するのに役立つ基礎的情報蒐集に努めた。*クネヒトと黄(1)数人のシャーマンに会って、彼らの儀礼を観察し、シャーマンの成巫過程、守護霊の体系や諸活動等について情報を得た。概観的調査だけではあるが、既に、シャーマンの伝承系統があるものの、活動と自己認識において各自の多種多様的形態の存在を仄めかす貴重な資料を入手した。(2)これらの地域のシャーマンの思考と活動に影響を及ぼしている要素として従来の道教と仏教のみならず、国家の政策、特に法輪功への弾圧を考慮する必要があることが明らかになった。(3)これらの暫定的成果を踏まえて、中国側の研究者と取るべき研究方法を吟味し、調査への協力を求めた。(4)2月に黄は文献調査を行い、途中でクネヒトと合流して中国人研究者と調査を具体的にどう行うべきかについて打合せをした。*畑中(1)ハルビンの民族研究所と黒龍江省でオロチヨン族の生活と社会情況に関する最近の情報を蒐集した。(2)10年程前に訪ねた狩猟民のオロチヨンを再訪して、狩猟禁止と定住という国家政策が彼らの生活と価値観にそのような影響を与え、それをどう変遷したかを探ることにした。(3)更に、北京でホロンバイル盟での少数民族問題や政策変更について関係者から話しを聞いた。*展望。来年度中これらの地域のシャーマンとの人間関係を築きながら、彼らの社会的環境を調査する予定である。
|