2002 Fiscal Year Annual Research Report
中国東北部におけるアルタイ語族の諸民族のシャーマニズムと社会に関する人類学研究
Project/Area Number |
12571020
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
クネヒト ペトロ 南山大学, 人文学部, 教授 (00121468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 強 中部大学, 国際関係学部, 教授 (90329673)
畑中 幸子 中部大学, 国際関係学部, 名誉教授
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Keywords | 国際研究者交流 / 多国籍:中国・日本・スイス / 文化人類学 / 社会人類学 / シャーマニズム / 少数民族 / 国際情報交換 / 社会変化 |
Research Abstract |
クネヒト,ペトロ 海拉尓区とその周辺を中心に、新シャーマンの成巫儀礼を始めとし、シャーマンによる各種の儀礼を観察、また儀礼を行ったシャーマンたちを対象に、儀礼の手順、意味等に関する追跡調査をした。昨年からの継続で、シャーマン数人からライフヒストリーを聞き取ることが出来た。この調査の結果、シャーマンの生活と活動等に関する貴重な資料を得、現代社会における彼らの役割、位置を評価出来るようになった。また、昨年に続いて、トナカイ・エウエンキの最後のシャーマンについての調査を進め、彼らの居住地を再訪問して、新しい情報を入手するように努めた。 畑中幸子 前回の調査を踏まえて、狩猟民であうたオロチョン族への定住化政策の影響について調査した。呼倫見尓盟と黒龍江省のオロチョン族の人々からライフヒストリーを収集した。この資料に報告書と統計資料を照らし合わせた結果、現在、オロチョン族の社会に起こっている変化と経済の状況の全体像を把握することが出来た。 黄強 昨年の秋と今年の冬の二回、現地調査を行った。ホジェン、満州、エウェンキ諸族のシャーマンの儀礼を観察、関連の補助的文献資料を閲覧し、収集してきた。特に、海拉尓ではエウェンキ族のと長春では満州族のシャーマン儀礼に関する資料を入手し、多くの儀礼のあり方をより正確に把握した。民間治療師についても聞き取り調査をした。冬には、満州族などの正月儀礼を観察、調査した。一連の調査の結果、シャーマンの儀礼活動と社会的位置を概ね理解できるようになった。
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