2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12571030
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 慎一 金沢大学, 文学部, 助教授 (80237403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 正人 成城大学, 短期大学部, 助教授 (00257205)
宮本 一夫 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60174207)
佐川 正敏 東北学院大学, 文学部, 教授 (40170625)
西谷 大 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 助手 (50218161)
後藤 雅彦 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30291553)
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国 / 考古学 / 良渚文化 / 石器 |
Research Abstract |
今年度の研究は、前半は中国江蘇省内における遺物調査、後半は3年間に及ぶ研究全体の整理・総括と成果報告書の作成を主に行った。 まず、平成14年9月の1ヵ月間、研究代表者、研究分担者、研究協力者計7名が訪中し、中国側研究者と共同で良渚文化石器の観察・記録を進めた。具体的には、江蘇省の常熟市博物館、呉江市博物館、昆山市文物管理所、蘇州博物館、呉県文物管理委員会、常州市博物館に収庫される良渚文化石器約400点につき実測、写真撮影、石材鑑定、使用痕観察を実施した。また、浙江省文物考古研究所においても玉器製作用工具類を中心に補足的な調査を行った。さらに、江蘇省呉県において、かつてホルンフェルス製石器未製品が大量に採集されている嶺脚下遺跡を踏査し、その付近の山地にホルンフェルスの露頭が存在する可能性がきわめて高いことを確認した。 年度後半における研究のとりまとめとしては、平成14年11月に研究代表者が浙江省文物考古研究所、上海博物館、蘇州博物館を訪問し、各機関所属の海外共同研究者と研究成果報告書作成に関わる意見交換を行った。平成15年1月には上海博物館から、2月には蘇州博物館から海外共同研究者を日本へ招聘し、報告書内容の検討を推し進めた。それと同時に、研究成果報告会を開催し、成果の概要につき発表した。 3年間に及ぶ調査を通じ、良渚文化石器の石材選択にはかなり厳密な規則性があること、石材産地の分布はかなり限定されていること、農具とされる石器の機能については従来の見解を大幅に修正しなければならないことなど数多くの研究成果を挙げることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中村 慎一: "良渚文化石器に関する日中共同調査"中国考古学. 2号. 134-136 (2002)
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[Publications] 中村 慎一: "玉の王権-良渚文化期の社会構造-"初期王権研究委員会(編)『古代王権の誕生』I、角川書店. 186-200 (2002)
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[Publications] 中村 慎一: "中国新石器時代の都市"建築雑誌. 1488号. 36-38 (2002)
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[Publications] 中村 慎一: "良渚文化的遺跡群"北京大学古代文明研究センター(編)『古代文明研究』2. (近刊予定). (2003)
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[Publications] 原田 幹: "石製農具の使用痕研究-収穫に関わる石器についての現状と課題-"古代. 110号(近刊予定). (2003)
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[Publications] 中村 慎一: "稲の考古学"同成社. 264 (2002)