2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12571042
|
Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
赤堀 正宜 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (00167826)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
パラシオス パウロブスキ アルベルト 桐蔭横浜大学, 工学部, 助教授 (40267646)
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
宇佐美 昇三 駒沢女子大学, 人文学部, 教授 (00184995)
角替 弘規 桐蔭横浜大学, 工学部, 講師 (10298292)
|
Keywords | 遠隔中学校 / 遠隔教育 / テユーター / 自習書 / テレビ教材 / マルチメデイア教育 / 映像理解 / 学力調査 |
Research Abstract |
平成14年度は、平成13年度ペルーのピウラ県で実施した調査結果の信頼性を確認するために、山岳地帯にあるフニン県の10の遠隔中学校において、(1)学力調査、(2)映像理解調査、(3)フィールド調査、(4)生徒への質問紙調査を行った。学力調査に関しては、ペルー教育省が例年実施している統一学力調査を事前テストとして、本調査実施時期の一学期後の学力のびとテレビ教材の教育効果を測定することができた。テストは3教科について行われた。すなわち、コミュニカシオン(言語)、マセマテカ(数学)、理科である。家庭におけるテレビ普及度と学力との相関をみると家庭にテレビがない集団でも学力が上位の学校があり、テレビに対する新奇性から由来する学習意欲の向上から、教室でのテレビ視聴が学力の向上と関連していることが明らかとなった。 また映像理解テストでは、平成13年度の結果と比較した。フニン県の10校の成績はピウラ県の3校より概して劣っていることが明らかとなった。この結果は、テレビ教材の利用頻度と関係している。ピウラ校においては、テユータが積極的にテレビ教材を使用し、しかも途中でビデオを止めて内容の説明を行い、知識の定着を図っていた。こうした指導から、生徒は2年生になると都会の公立中学校生徒と遜色のない映像理解能力を示した。フニン県では視聴習慣が希薄であった。 フィールド調査で明らかになったことは、(1)ワスカランプロジェクト(情報化に対応する教育のIT化計画)によるコンピュータの導入より、テユータの増員が望まれる。(2)マルチメデイア教育に習熟すべくテユータの研修の必要性、(3)中途退学者への対処、(4)教材の配布遅延の対策、などが問題点として明らかとなった。
|
-
[Publications] 赤堀正宜, 宇佐美昇一, 久保田賢一, アルベルト・パラシオス, 角替弘規: "ペルー遠隔中学校におけるテレビ教材の効果調査"教育メディア研究. 8巻2号. 41-67 (2002)
-
[Publications] 赤堀正宜, 宇佐美昇一, 久保田賢一, アルベルト・パラシオス, 角替弘規: "ペルー遠隔中学校におけるテレビ教材の効果調査"桐蔭論叢. 9号. 49-79 (2002)
-
[Publications] 赤堀正宜, 宇佐美昇一, 久保田賢一, アルベルト・パラシオス, 角替弘規: "テユータ調査にみるペルー遠隔中学校"第8回日本教育メデイア学会大会発表論文集. 32-33 (2001)
-
[Publications] 赤堀正宜, 宇佐美昇一, 久保田賢一, アルベルト・パラシオス, 角替弘規: "ペルー遠隔中学校をとりまく教育環境とその問題点"第8回日本教育メデイア学会大会発表論文集. 36-37 (2001)
-
[Publications] 赤堀正宜, 宇佐美昇一, 久保田賢一, アルベルト・パラシオス, 角替弘規: "ペルー遠隔中学校におけるビデオの教育効果デザイン"第9回日本教育メデイア学会大会発表論文集. 34-35 (2001)
-
[Publications] 赤堀正宜, 宇佐美昇一, 久保田賢一, アルベルト・パラシオス, 角替弘規: "ペルー遠隔教育の新動向"第9回日本教育メデイア学会大会発表論文集. 97-98 (2002)
-
[Publications] 赤堀正宜ほか(共著): "「ペルーのTV」『教育放送の国際展開とその成果』"日本放送教育協会. 509(3) (2001)