2003 Fiscal Year Annual Research Report
国際金融法制をめぐる日米欧間の法的不整合-その解明と解消を目指して
Project/Area Number |
12572009
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
森下 哲朗 上智大学, 法学部, 助教授 (80317502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 一憲 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00009854)
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Keywords | 国際金融取引 / 証券決済 / 金銭 |
Research Abstract |
本年度は4年間の研究期間の最終年度であり、これまでの海外実地調査・文献調査の成果を整理するとともに、前年度から行ってきた幾つかのキーワードを中心とした研究のまとめの作業を継続した。 1.英国の最新状況の調査 9月に英国を訪れ、英国法での近時の重要問題について、英国を代表する金融法学者にインタビューを実施した。 2.英米における判例の調査 前年度に引き続き、シンジケーション、デリバティブ・証券化・M&Aの各取引における近時の英米の重要判例を調査するとともに、こうした判例で問題となっている英米法の原則(fiduciary duty, misrepresentation等)についての研究を継続した。 3.証券決済法制についての研究 初年度より行ってきた証券決済法制についての研究の一応の内容につき、韓国で報告の機会を得たほか、日本でも論文を公表した。 4.金銭の帰属についての法理論の研究 2と同様、当初からの最重要論点の一つである金銭の帰属に関し、近時の日本の最高裁判例の混乱した状況と英米法の状況について研究を進めた。 5.研究のまとめ 海外実地調査や文献・判例調査の成果、そうした成果を踏まえた研究結果のまとめ、報告書作成に向けた準備を進めるとともに、そうした成果・結果について日本の判例学説との比較検討、金融実務家との意見交換等を行った。
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