2001 Fiscal Year Annual Research Report
アジアと日・米・欧の経済・文化・政治リンクの総合的研究
Project/Area Number |
12572015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿部 茂行 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (60140076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高阪 章 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (00205329)
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Keywords | 通貨危機 / アジア経済 / 生産性 / FTA / APEC / マクロ経済政策 / 高齢化 / 多国籍企業 |
Research Abstract |
1.研究代表者は昨年度に引き続き,タイに出張し,アジア通貨危機以降のタイのマクロ経済政策並びに通貨危機を引き起こしたタイに内在する政治,文化,経済の制度的要件を明らかにすることにつとめた。具体的には中央銀行の無能と責任を暴いた「ヌクル委員会報告」を本年度のタイ研究の中心に据え,パスーク,オラーン,アマー,チャロンポップ,メティ,バヌボン等専門家に聞き取り調査ないし,意見交換をした。 2.研究代表者はまたライ教授はペナンに進出している日・米・欧の多国籍企業への聞き取り調査を引き続きおこなった。マハニ教授とはマレーシアの貿易政策について綿密に打ち合わせをし,タンガベル博士とは共同でシンガポールにおける生産性についての計算を終え,論文をひとつ発表。次のステップとして日本とタイへの応用に着手している。 3.研究代表者はアルバイトを使って,米国の影響についてみるために,阿部は米国議会マイクロフィッシュ資料をデジタル化してCDROMに焼き付ける作業を今年度末に完成した。この資料を使っての,米国の対アジア政策の分析は次年度以降の課題となる。 4.ウィサーンとは日本およびタイで,「タイと日本のFTAの経済効果」について本格的研究を来年度から始めるにあたり,予備的な議論をした。 5.高阪はチェコのカレル大学,プラハ経済大学を訪れ,欧州通貨統合の進展と周辺非加盟国のマクロ経済政策課題に関して専門家との意見交換,資料収集を行うとともに,ウィーン大学,ウィーン経済大学,世界経済研究所(WIIW)でも同様の意見交換,資料収集を行った。
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[Publications] 安部茂行, シャンドラ・タンガベル: "シンガポール経済は幻か?"アジアアフリカ地域研究. 2号(予定). 1-25 (2002)
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[Publications] Akira Kohsaka: "Fiscal Policy Issues in the Pacific Region"Pacific Economic Outlook/Structure. 5-27 (2002)
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[Publications] 高阪 章: "経済危機下の金融政策と金融システム:東アジアの経験"国宗浩三編『アジア諸国の金融改革の論点』アジア経済研究所. 141-167 (2001)