2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12572017
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清水 耕一 岡山大学, 経済学部, 教授 (00235649)
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Keywords | フランス / 35時間労働法 / 自動車産業 / 労使間協定 / トヨタ生産システム / トヨタ・フランス / ルノー / プジョー |
Research Abstract |
平成12年度においては、調査対象の都合で計画に多少の変更はあったが、以下の研究調査を実施した。 1 フランスの労働慣行と35時間労働の研究 (1)フランスの自動車産業における労働慣行、および35時間労働の実施に関する労使間協定について資料・文献収集を行うとともに、以下の問題についてインタビュー調査を行った。35時間労働法の基本精神(ドミニク・タデイ、ジルベール・セット両教授)、35時間労働実施状況に関する調査研究状況(雇用連帯省)、35時間労働の実施に関する労使間協定および実施状況(ルノー人事部、プジョー人事部、プジョー・オルネイ工場工場長)労使間協定に署名しなかった理由(労働総同盟CGTルノー)。(2)この調査からは、自動車産業において、35時間労働は企業に労働編成上の柔軟性(三交代制プラス週末チームによるフル稼働)を与え、雇用増加による労働コストの上昇よりも規模の経済効果が大きく、企業に有利に働いている、等の知見が得られた。 2 トヨタ・フランスに関するヒアリング調査 (1)トヨタ・フランスに対する生産準備状況、トヨタ・ヨーロッパに対するトヨタのヨーロッパ戦略に関するインタビューを行なった。(2)トヨタ・フランスは35時間労働法が実施される前から先取り的に35時間労働を決定・実施しているが、35時間労働は社内だけの問題ではなく、サプライヤー・運送業者等にも関係し、35時間労働下でトヨタ生産システムがどのように実現されるのかという問題については、今後の観察が重要になる。またトヨタ・フランスは立ち上げ期にあり、労使関係制度や労使間協定などについての詳しい聞き取りは行えず、これらの調査および地元自治体への調査は2001年6月以降に行える手はずになっている。
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